大規模なサイバー攻撃の影響を受け、利用できない状況が続いている「ニコニコ動画」などを運営するドワンゴの親会社・KADOKAWAが2024年7月10日、サイバー攻撃を行った組織が流出させたとしている情報を拡散させる行為および、悪質な拡散を行う者への対応を進めていると発表した。
「インターネット上で流布されている書き込みにはフェイク・捏造情報が含まれている可能性もございます」
大規模サイバー攻撃をめぐっては、ニコニコ動画やニコニコ生放送をはじめとするサービスが利用できない状況となっている。
攻撃を仕掛けたという「BlackSuit(ブラックスーツ)」を名乗るサイバー犯罪集団は、6月28日までにKADOKAWAの事業計画や機密データ、個人情報などを含む「1.5TBぶんのデータをダウンロードした」として多額の身代金の支払いを求めていた。同組織は28日と7月2日に、情報の一部を流出させたと主張している。
SNSでは、2日までに数千を超えるファイル一覧とされるキャプチャ画像が投稿・拡散されており、こうした状況についてKADOKAWA広報は「上記のデータの拡散は個人情報を侵害し深刻な影響を及ぼす可能性があるため、SNS等による共有はお控えください」と呼びかけていた。
KADOKAWAは10日、「漏洩情報の拡散行為に対する措置ならびに刑事告訴等について」とのリリース文を公開した。
改めて関係各位への謝罪を行った上で、犯罪集団が漏えいさせたと主張している情報について、「社外の大手セキュリティ専門企業の支援を受けながら原因等の分析作業を進めるとともに、サイバー攻撃を行ったとされる組織が公開したとする情報について、社内の記録と照合して検証するため、その収集作業を慎重に行っているところ」と説明した。
分析および収集の作業には時間が必要であり、「現時点では漏洩された情報の確認が完了していない状況」だとして「インターネット上で流布されている書き込みにはフェイク・捏造情報が含まれている可能性もございます」とした。