国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年7月9日の定例会見で、7日に投開票された東京都知事選で元参院議員の蓮舫氏が3位に甘んじた理由に言及した。
玉木氏が考える敗因のひとつが、共産党の支援を受けたことで無党派層への広がりを欠いた、という見方だ。
さらに、共産党が得意とする「コアな支持者さえ集めれば当選できる選挙のスタイル」が、今回の首長選挙では裏目に出たともみている。こういった考えを立憲民主党の泉健太代表に伝え、方針転換を求める考えだ。
「立憲共産党」が無党派の支持・広がりを欠く原因のひとつ?
玉木氏は、蓮舫陣営が自民党の裏金問題といった国政の問題を都政に持ち込もうとしたことや、神宮外苑の問題を取り上げたことを疑問視。さらに、共産党の支援を受けたことについて、次のように指摘した。
「共産党と組んでやる、この『立憲共産党』と言われるような枠組みが、やはり無党派の支持を、広がりを欠く大きな原因のひとつになったことは間違いないと思う。こうした路線を続けることについて、やはり見直しを迫られるのではないか」
7月8日に公表されたNHKの世論調査の結果では、立憲の政党支持率が5.2%で、6月の9.5%からほぼ半減したことを「重く受け止めるべき」だと指摘。共産党との協力関係が原因で政権交代が遠のいたとの見方を示した。
「蓮舫候補が出て戦うことで勢いをつけて、次の衆議院選挙、そして政権交代という戦略だったのだろうが、明らかに政権交代の機運に水を差した。この『立憲共産党』路線は、今回でひとつの終焉を迎えたのではないか」
「最も『リアルパワー』と言われる共産党が強い東京において(共産党の支援が)通用しなかった」
立憲・岡田幹事長は不快感「何を言おうと自由だが、立憲民主党が考える話」
さらに、全体の一定割合の「コアな支持者」を重視する、比例区向けの戦略が裏目に出たとの見方も示した。
いわく、「共産党もどちらかというと比例中心なので、そういった選挙戦術や戦略をそのまま持ち込んだのではないかという印象」。比例区であれば
「全体の何パーセントのコアな支持者さえ集めれば当選できる選挙のスタイルは、必ずしも間違っていない」
が、衆院小選挙区や首長選挙のように1人しか当選しない選挙では、「特定の人だけ集めてやるような選挙をやっていると絶対勝てない」と指摘した。
3選を果たした小池百合子氏については
「いろいろな選挙、特に(衆院議員時代に)小選挙制を戦ってきた、ある種の戦略や執着心は、よく分かる」
とした。
玉木氏は
「まずは野党第1党の泉さんとも、よく話をしてみたい」
と話し、方針転換を泉氏に求める考えだ。
7月9日午後の定例会見で玉木氏の発言への所感を問われた立憲の岡田克也幹事長は、
「玉木さんが何を言おうとそれは自由だが、これは立憲民主党が考える話で、他党が何か 言う話ではない」
と不快感を示した。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)