海外ボクシング専門メディアがプロボクシングの世界スーパーフライ級2団体王座統一戦の採点を疑問視した。
WBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成、35)が2024年7月7日、東京・両国国技館でIBF世界同級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン、32)と対戦し、0-3の判定負けを喫した。
「王座統一戦にふさわしい素晴らしい戦いだった」
試合は強打を誇るマルティネスが初回から積極的に仕掛けた。接近戦を挑むマルティネスに対して、井岡はボディーで対抗。初回から緊迫した打ち合いが展開された。
中盤に入っても、スタミナ旺盛なマルティネスの動きは落ちることなくパンチを強振。対する井岡はタイミングのいい左ジャブとボディーに活路を見出し、打ち合いに応じた。
両者一歩も引くことなく試合は判定へ。採点は116-112、117-111、120-108と、3人のジャッジがそれぞれマルティネスを支持し、井岡は王座から陥落した。
この採点をめぐり複数の海外ボクシング専門メディアが、「120-108」のフルマークをつけたジャッジを疑問視した。
英ボクシング専門メディア「ボクシングニュース」(WEB版)は、「王座統一戦にふさわしい2人の偉大なファイターによるスーパーフライ級の素晴らしい戦いだった」と両王者の戦いぶりを高く評価した。
「審判たちは同じ試合を観ていたのか?」
その一方で「リングアナウンサーが発表した120-108のスコアは井岡の努力を非常に軽視しているように見えた」と、一方的な採点を疑問視した。
米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」(WEB版)は、「120-108、117-111、116-112といったスコアカードを見ると、審判たちは同じ試合を観ていたのかと疑問に思う」と厳しい論調で指摘した。
筆者の怒りは収まらない様子で、「審判はそもそも試合に注目していたのか、それとも居眠りしながら適当な数字を並べただけなのかと疑問に思わざるを得ない。ボクシング界に改革が必要かもしれない」と続けた。
米スポーツメディア「The Sporting News」(WEB版)は、井岡対マルティネス戦を独自の視点から採点し、115-113の2ポイント差でマルティネスの勝利を支持した。