プロ野球西武の元監督で野球解説者の伊東勤氏(61)が2024年7月6日にユーチューブを更新し、西武・高橋光成投手(27)の不調の要因を独自分析した。
高橋は今シーズン10試合に先発して0勝8敗、防御率4.42と精彩を欠いたピッチングが続いている。6月24日には再調整のため出場選手登録を抹消された。
「バッターがなかなか手を出してくれない」
エースの不調はチームに大きな影響を与え、7日時点で勝率.320のリーグ最下位。昨シーズンまで3年連続で2ケタをマークしたエースが、7月に入っても未勝利の苦境に陥っている。
05年から3年間、西武の監督を務めた伊東氏。低迷するチームの現状を不安視し「(西武の)ここまでの1番の敗因、原因は、エースと言われる高橋光成投手」と切り出し、次のように持論を展開した。
「球自体はいいときに比べれば、キレが少しないような感じ。真っすぐがあってスライダー、フォークというコンビネーションだが、スライダーのキレに関しても、バッターがあまり振ってくれない。今までだったら、スライダーがボール気味になる球で空振りをとっていた。あるいは、フォークで仕留めたり。本人は思うようなところに投げれているとは思うが、バッターがなかなか手を出してくれない」
現役時代、捕手として西武の全盛期を支えた伊東氏は、独自の視点から高橋の投球を分析した。
「スピードガンの表示自体は、よいときと比較したらそんなに差がないと思う。ただ、バッターがそれほど真っすぐの強さ、強さを感じてないと思う。やはり真っすぐあっての変化球なので。変化球あっての真っすぐではなくて。真っすぐを軸に変化球(を生かしていったほうがいい)。今シーズンの高橋に関しては、バッターは恐怖を感じていないかなという気がする」
「もう1回自分を見つめ直すよいチャンス」
そして、こう続けた。
「シュート回転で入ってくるボールが意外と多い。今までは右バッターのアウトコースの真っすぐがけっこういいところに決まっていても、それが若干シュート気味に入ってくるので、バッターとしては対応しやすい。フォークも抜けたフォークが多い。縦フォークではなく横に曲がってきたり。そういうボールが今年は多いなと思いました」
2軍で調整している高橋は7月3日のイースタン・リーグの日本ハム戦に先発。10日ぶりの実戦マウンドは、7回114球8安打4失点だった。
伊東氏は苦しい状況が続くエースに対して「もう1回自分を見つめ直すよいチャンスだと思う」とし、「この先(チームは)Aクラス、優勝というのは数字的に見たら厳しいと思いますけども、チームを立て直すという意味では、エースがもう1回原点に戻って復帰してその姿をチームメイトに見せるということが、大事なこと」との見解を示した。
リーグ最下位に沈むチームは7日のロッテ戦を2-9で落とし3連敗。ロッテ戦は開幕から11連敗となり、同一カードの開幕から11戦全敗は球団ワースト記録となった。