子どものファーストスマホ、何年生から?どこのサービスがオトク? 専門家アドバイス「安さと安全を考えるなら」

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   子どもにスマホを持たせる時期はいつがよいかと、悩む親が多いだろう。

   モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2024年7月4日に発表した「子どものスマートフォン利用に関する調査」によると、「中学1年生」を検討している親が圧倒的に多い。その一方で、「小学1年生」を考えている親も増えている。

   どこの通信サービスが「ファーストスマホ」にオトクなのか。調査した専門家に「子どもスマホ事情」を聞いた。

  • 子どもにスマホを持たせるのは、いつがいい?
    子どもにスマホを持たせるのは、いつがいい?
  • (図表1)子どもにスマホを持たせることを検討している時期(MMD研究所調べ)
    (図表1)子どもにスマホを持たせることを検討している時期(MMD研究所調べ)
  • (図表2)子どもにスマホを持たせる際、検討している通信サービス(MMD研究所調べ)
    (図表2)子どもにスマホを持たせる際、検討している通信サービス(MMD研究所調べ)
  • (図表3)子どもにスマホを持たせる際の懸念点(MMD研究所調べ)
    (図表3)子どもにスマホを持たせる際の懸念点(MMD研究所調べ)
  • (図表4)子どもにスマホを持たせることを検討している理由(MMD研究所調べ)
    (図表4)子どもにスマホを持たせることを検討している理由(MMD研究所調べ)
  • 子どもにスマホを持たせるのは、いつがいい?
  • (図表1)子どもにスマホを持たせることを検討している時期(MMD研究所調べ)
  • (図表2)子どもにスマホを持たせる際、検討している通信サービス(MMD研究所調べ)
  • (図表3)子どもにスマホを持たせる際の懸念点(MMD研究所調べ)
  • (図表4)子どもにスマホを持たせることを検討している理由(MMD研究所調べ)

「docomo」「Y!mobile」「楽天モバイル」が人気3位

   MMD研究所の調査(2024年6月14日~18日)は、高校生までの子どもを持つ親6000人が対象。

   そのうち、スマホをまだ持たせていない子どもがいる親で、スマホを持たせることを具体的に検討している1743人に、いつ持たせるかを聞くと、「中学1年生」(26.4%)が圧倒的に多く、次いで「中学卒業後」(13.0%)、「小学6年生」(11.1%)、「小学1年生」(8.7%)となった【図表1】。

   「小学1年生」が、「小学4、5年生」や「中学1、2年生」より多いことが目を引く。

   子どもにスマホを持たせる親に、具体的に検討している通信サービスを聞くと、「docomo」(27.2%)が最も多く、「Y!mobile」(14.0%)、「楽天モバイル」(13.8%)、「au」(13.4%)と続いた【図表2】。

   その理由として、「親と同じでオトクになる」「通信料金が安い」「ポイントが貯まる」などが上位に並んだ。ただし、6つの通信サービスのうち楽天モバイルだけは「通信料金が安いから」が最多となった。

   子どもにスマホを持たせる際には心配事が尽きないが、懸念点は何か。これを聞くと(複数回答可)、「ネット/スマホ依存症」(50.9%)、「いじめなどコミュニケーショントラブル」(44.5%)、「睡眠不足や生活リズムの乱れ」(36.7%)などが上位に並んだ【図表3】。

   それでも、子どもにスマホを持たせる理由を聞くと(複数回答可)、「緊急時に連絡を取り合うため」(55.6%)が最も多く、次いで「子どもの居場 所を把握するため」(32.8%)、「子どもの友達同士のコミュニケーションのため」(28.2%)となった【図表4】。

「中学1年」と「小学1年」が多いのは、きりがいいから

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったMMD研究所の担当者の話を聞いた。

――子どもにスマホを持たせる時期の最多が「中学1年生」ですが、その理由は何でしょうか。最近は、特に女子では小学高学年あたりからSNSで連絡し合うのが当たり前になっている気がしますが。

担当者 じつは、2023年1月発表した「初めてスマートフォンを持つ子どもと親への意識調査」では、実際にスマホデビューしたのは小学6年生が最多となっています。ただ、今回の調査では「持たせるとしたら」という観点で聞いているので、より切りのいい「中学1年生」が最多となったのだと考えます。

――小1年生が意外に多いことに驚きました。これは、特に女子の通学の安全のためにキッズケータイ(GPSや防犯ブザーの機能がある)を持たせる意味があるのでしょうか。
それとも、文部科学省が小学1年生から行っているICT教育の「GIGAスクルール構想」の影響でしょうか。

担当者 調査では、キッズケータイとは違い、スマホに限って聞いていますから、「中学1年生」に続く切りのいいタイミングであるという点もあります。2023年1月のスマホデビュー調査でも、小学生の中では6年生に次いで1年生が2番目でした。

GIGAスクール構想や、コロナ禍でスマホを使って勉強するようになった影響もあるでしょう。また、小学校低学年から防犯の意味をこめてスマホを持たせておくことも考えられると思います。

※MMD研究所「初めてスマートフォンを持つ子どもと親への意識調査

安さと安全、各通信サービスの「子ども対策」

――子どもにスマホを持たせる際の通信サービスに「docomo」「Y!mobile」「楽天モバイル」がトップ3位に挙がっていますが、これらが上位になって理由は何ですか。それぞれのサービスの特長を教えてください。

担当者 「親が利用している通信サービスと同じにすることでオトクになるから」という理由が一般的なのだと感じます。また、近年の物価高騰による家計ひっ迫もあり、料金の安さを重視する声が多いことも、検討されるきっかけになるしょう。

たとえば、楽天モバイルは今年5月に「最強こどもプログラム」を発表しました。毎月最大440円分の楽天ポイントが付与されるので、ポイントを料金の支払いに使えます。家族割との併用も可能で、月額528円からスマホを利用できるので、子どものスマホデビューにオトクです。

楽天モバイルは安さの訴求が進み、上位に食い込んでいると考えます。

――なるほど。ところで、子どもにスマホを持たせるとさまざまなトラブルが心配になりますが、各通信サービスでは子どもの安全対策にどんな力を注いでいますか。

担当者 通信会社では、フィルタリングサービスはもちろん、セキュリティー対策、GPS機能、支払額の事前設定で高額請求を防ぐなど、さまざまな取り組みがあります。

たとえば、docomoでは子ども向けオンラインのスマホ教室以外に、家族で話し合うサポートを行ったり、楽天モバイルでも親と子どもが一緒に学べるページがあったり、SoftBankでは、進研ゼミと共同のスマホデビュー安心ガイドがあったりします。

――今回の調査で特に強調しておきたいことがありますか。

担当者 子どもにスマホを持たせたい通信会社は、親の利用キャリア内で契約することが一般的でしたが、最近ではいわゆる格安スマホの発展やサブブランド・オンライン専用プランの台頭により多様化しているように思います。

物価高騰やネットを使った犯罪の横行など、さまざまな視点でそれぞれにあった通信会社を選ぶことが大切だと思います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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