大学3年生の8割「就活開始は2年生以前がいい」 早すぎでは?の疑問に「早くからキャリア形成考えると、メリット多い」/マイナビ服部幸佑さん

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就職活動の前に、自分のキャリア感を磨くとよい

   こうした早まる就職活動をどう考えたらよいのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったマイナビのキャリアリサーチラボ研究員服部幸佑さんに話を聞いた。

――近年、大学生の就活が非常に早まっていますが、2026年卒(大学3年生)がいつごろから就職活動を開始したのか、わかるデータがありますか。

服部幸佑さん 26年卒はまだ就職活動が始まっていないため、内々定率などのデータは2024年7月5日現在ありません。しかし、1年先輩の25年卒が就職活動を開始した3月1日時点での内々定率が34.3%で、前年の18.1%より16.2ポイントも高いので、26年卒もより内々定率が高まる可能性があります。

学生が「就職活動」と捉えている活動には2種類あります。選考に参加し合否の結果を得る「就職活動」と、キャリア観を醸成するためにインターンシップ・仕事体験などに参加する「キャリア形成活動」です。インターンシップ・仕事体験でも自己分析や企業分析をすることがあり「就職活動準備」ととらえている学生もいます。

インターンシップ・仕事体験に初めて参加した時期を26年卒の学生に聞いたところ、まだ2年生の2023年12月以前が最も多く10.9%となっています。25年卒は2023年8月の29.5%が最多でしたので、これから授業が休みになる夏季休暇に向けて参加率が上がってくる見込みです。

――大学3年生の76%が「キャリア形成活動」(就職活動)を2年生より前に始めたほうがいい、と考えていることがショックです。こうした就活がどんどん早まる現実についてはどう考えていますか。

服部幸佑さん 「選考に参加し、合否の結果を得る就職活動」を行う前に、「キャリア観醸成のためのキャリア形成活動」を行うことは必要です。

早い時期から、自身の適職を見つけるために「キャリア形成活動」を行うことはいいことであり、土台となるキャリア観の醸成や職業観が整っていないと、自分の強みや適職が分からないまま実際の就職活動を迎えることになってします。

インターンシップ・仕事体験への参加や自己分析などを通じてキャリア形成ができた状態で就職活動に臨むことで、入社後のミスマッチを減らすことができます。学生が早期から自身のキャリアについて考えようとしていることは良い傾向だと捉えています。

――2025年卒就活生(現在の大学4年生)から新制度として「インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム」が始まりました。これには、一部で企業が選考の対象にしてもよいという内容も含まれています。
このことが、早い段階からインターンシップ・仕事体験に申し込む学生が増えている要因になっているのでしょうか。

服部幸佑さん 25年卒から三省合意によって特定の条件を満たしたプログラムは、選考が始まる6月以降に限り、学生の情報を採用選考に活用してもよいというルールが定められました。

25年卒のインターンシップ・仕事体験の累計参加率は85.7%で、調査を開始した2014年卒以来最高の数値になりました。タイミング的に制度改正を受けての増加とも見てとれますが、一方で、大学生のインターンシップ・仕事体験への関心が年々高くなっていますから、その結果かもしれません。
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