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3塁コーチャーは「イップスになる」 阪神・岡田監督「叱責」に球界OB苦言、「これは死活問題」

   プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(65)が2024年7月3日にユーチューブを更新し、阪神・岡田彰布監督(66)の発言に苦言を呈した。

   高木氏が指摘したのは、6月30日に神宮球場で行われた阪神対ヤクルト戦の9回のワンシーンだ。

  • 甲子園球場
    甲子園球場
  • 甲子園球場
  • 佐藤輝明(佐藤のインスタグラムより)
  • サヨナラ打の佐藤(佐藤のインスタグラムより)
  • 森下翔太(森下のインスタグラムより)
  • 日本代表の森下(森下のインスタグラムより)

「あれは回してしまったら、それでしょうがない」

   1点ビハインドで迎えた9回。2死1塁の場面で佐藤輝明内野手(25)がレフトフェンス直撃のヒットを放つと、3塁コーチャーの藤本敦士コーチ(46)が腕を回し、代走で起用された1塁走者・植田海内野手(28)がホームに突入した。

   植田の快速に期待がかかるもヤクルトの守備が抜群の中継プレーを見せ、植田はホームでタッチアウトとなり試合終了。チームは5-6の逆転負けを喫した。

   スポーツ紙の報道によると、岡田監督は試合後、最後のプレーとなった植田の本塁突入について「1点負けてるんやで。信じられへんわ」とし、「何でも行けじゃないやろ」とコメントし、藤本コーチの判断に怒りをにじませたという。

   高木氏は藤本コーチに対する岡田監督の発言に、次のように持論を展開した。

「あれを言うか言わないかは、サードコーチャーができるか、できないか。これは死活問題になる。藤本はイップスになる。心臓が飛び出しそうになる。ああいうシチュエーションになってくると。あれは回してしまったら、それでしょうがない。あれだけ風が強くて、あれだけクッションをうまく捕られて、長岡(秀樹)もドンピシャで投げて。あれはちょっと逸れていたらたぶんセーフ。それをあーだこーだ言われて。次に点を取れる保証があるのかというと、それもない」

   さらに、こう続けた。

「サードコーチャーがどれだけプレッシャーがかかって...」

「あれは結果論であって、藤本をサードコーチャーとして立てているんだったら『おまえが回したらしょうがない。これはチームの負けだから』ということ。サードコーチャーがどれだけプレッシャーがかかってあのコーチャーボックスにいるか。ただサインを出しているだけじゃないから。(ランナーが)セカンドにきて、大事な場面だったら『頼むから長打打ってくれ』とか思っているから。『ギリギリのヒットはやめろ』と思っているから」

   高木氏は、藤本コーチに対する岡田監督の叱責には伏線があったという。高木氏が指摘したのは、6月18日に甲子園球場で行われたセ・パ交流戦・日本ハム戦だ。

   0-0の同点で迎えた5回。1死満塁の先制のチャンスに原口文仁内野手(32)が放った打球はライトのファウルゾーンへ。これを、強肩を誇る万波中正外野手(24)がフェンスに当たりながら捕球。タッチアップのチャンスに3塁走者・森下翔太外野手(23)はスタートを切らず塁にとどまった。

   高木氏は、このプレーについて「俺は完全に走ると思った」と切り出し、藤本コーチの判断に言及した。

「(万波の)取る態勢が悪い。森下がクローズアップされているけど、あれは、サードコーチャーが『行けよ』と言わなきゃダメ。でも、たぶん言えなかったのだと思う。万波の肩がめちゃくちゃ強いのを知っているから。でも、肩がいくら強くてもあそこから態勢を整えて投げれば、たぶんセーフになった。そこからの伏線があるから、岡田監督は我慢しきれずに言ったのだと思う」

   首位・広島に2連勝中の阪神は3日時点でリーグ2位につけている。4日は3連勝をかけて広島と対戦し、5日からホーム甲子園球場でDeNAを迎えて3連戦を予定している。