閉館したホテルがXで明かす営業時のエピソード 男性客からの「妻が息をしていないんですが......」ヘルプに奔走

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   2024年1月末に閉館したホテル「熱川温泉ブルーオーシャン」(静岡県東伊豆町)のX公式アカウントが7月1日、営業当時のエピソードを明かし注目を集めている。

   宿泊中の男性から、深夜に「妻が息をしていないんですが...」と電話があり、

  • 2024年1月末に閉館したホテル「熱川温泉ブルーオーシャン」。閉館後もXでは発信を続けている(写真はGoogleストリートビューから)
    2024年1月末に閉館したホテル「熱川温泉ブルーオーシャン」。閉館後もXでは発信を続けている(写真はGoogleストリートビューから)
  • 話題になっているXの書き込み。営業時のエピソードを披露した
    話題になっているXの書き込み。営業時のエピソードを披露した
  • ウェブサイトの「閉館のお知らせ」。「現在のところ再営業の目途はたっておりません」としている。
    ウェブサイトの「閉館のお知らせ」。「現在のところ再営業の目途はたっておりません」としている。
  • 2024年1月末に閉館したホテル「熱川温泉ブルーオーシャン」。閉館後もXでは発信を続けている(写真はGoogleストリートビューから)
  • 話題になっているXの書き込み。営業時のエピソードを披露した
  • ウェブサイトの「閉館のお知らせ」。「現在のところ再営業の目途はたっておりません」としている。

「つ、つ、妻が... 息をしていないんですが...」

   同ホテルは、閉館後も公式Xの更新を続け、たびたび営業当時のエピソードや東伊豆町の魅力などを伝えている。1日に投稿されたのは、同ホテルの営業時、ある日の深夜に起こったエピソードだった。

   「深夜の静けさを破る電話の音が鳴り響く 私はすぐに受話器を上げた」。宿泊していた男性客は、震える声で「つ、つ、妻が... 息をしていないんですが...」と告げたという。

   突然のできごとに支配人も「驚きと不安が一気に襲ってきました」とするも、冷静を保ち「落ち着いてください。すぐにお部屋に参ります。少々お待ちください」と声をかけた。

   支配人が「急いで階段を駆け上がり ドアをノックした」ところ、扉を開けた男性客は顔色を失って立っていた。

   「部屋のベッドには 女性が横たわり、動かないまま」いたことから、支配人が状況を尋ねると、男性客は混乱しつつ「夕食後、急に具合が悪くなって...

   薬を飲んで休んでいたんですが 気づいたら...。息をしてなかった」と説明。

   支配人が女性の脈をとると、「脈拍はありましたが、非常に弱い」状態だったことから救急車を呼んだという。

   消防署に連絡した支配人は、「熱川温泉ブルーオーシャンです。お客様の意識がありません。夕食後、薬を飲まれて、就寝したところ 息をしてないと客室から連絡がありました。脈はありますが、呼吸はかなり浅いです。すぐに救急車の手配をお願いします」と状況を伝えた。

   支配人は「10分以内に到着します」との回答があったため安心し、倒れてしまった女性の詳しい情報を聞き取り、搬送の準備をしたと振り返った。

 
「奥様の年齢、血液型を教えてください。お飲みになったお薬をご用意ください。持病とかアレルギーはありませんか? 失礼ですが、妊娠の可能性は?」

   救急車の音が近づいてくる中、女性客は目を覚ました。支配人の「お客様、大丈夫ですか?」との問いかけに、女性客は「辛そうな表情に中に 微笑みを浮かべながら」こう答えた。

「ご心配おかけしてすみません。少し体調が悪くなって...。もう大丈夫です」

   意識を取り戻した妻の姿を見て、男性客はホッとした表情で妻の手を握り、「本当に良かった...もう心配で心配で」と安堵したという。

   支配人は当時の様子を「その目と鼻から彼女の顔めがけて 一筋のしずくが流れ落ちたのを 私は見逃さなかった」と振り返った。

   ほどなく女性は落ち着きを取り戻したものの、念のため病院で検査を受けることに。救急車に乗り込んだ2人を見送った支配人は、ホテル入口の鍵を閉めてフロントに戻ると、「『生きててよかった~』と、ナイトスタッフと抱き合った」。「その瞬間目から熱いものがこぼれ落ちた」という。

「次回は、3人でお会いできること 楽しみにしております」

   翌朝、男性客は花束を手に、笑顔でフロントに現れた。

「妻の容態は安定しました。本当にお世話になりました。彼女も、スタッフの皆さんにお礼が言いたいと言っています」

   続いて、女性客も元気な笑顔で現れ「本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、無事に過ごすことができました」とお礼を述べた。

   支配人は、心からの笑顔でこう伝えたという。

「またいつでもお越しください。次回は、3人でお会いできること 楽しみにしております」

   「エレベータが閉まる瞬間 フロントスタッフ全員で『いってらっしゃいませ!』と大きな声でお見送りいたしました」としている。

   女性客の体調が急変した原因は不明のままだとしつつ、「元気になられて本当によかったと 心から思った出来事でした」と振り返り、「『3人で』というのは 奥様からご懐妊のことを伺ったから。薬は病院から処方されたものということでした。きっと、今頃は元気なお子さんが 生まれていることと思います」と一家に思いをはせた。

   なお、同ホテルについて、閉館後も「5か月の間、いつでもオープンできるよう メンテナンスをしております」としている。

   突然の体調不良に混乱する宿泊客らに寄り添い、適切な対応をとった支配人らのエピソードには、「毎度のなんて素敵な良い話なんでしょう 心があたたまります」「すごく感動しました...! 仕事中なのに泣きそうになってます 素敵な対応でした」など称賛の声が寄せられている。

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