「次回は、3人でお会いできること 楽しみにしております」
翌朝、男性客は花束を手に、笑顔でフロントに現れた。
「妻の容態は安定しました。本当にお世話になりました。彼女も、スタッフの皆さんにお礼が言いたいと言っています」
続いて、女性客も元気な笑顔で現れ「本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、無事に過ごすことができました」とお礼を述べた。
支配人は、心からの笑顔でこう伝えたという。
「またいつでもお越しください。次回は、3人でお会いできること 楽しみにしております」
「エレベータが閉まる瞬間 フロントスタッフ全員で『いってらっしゃいませ!』と大きな声でお見送りいたしました」としている。
女性客の体調が急変した原因は不明のままだとしつつ、「元気になられて本当によかったと 心から思った出来事でした」と振り返り、「『3人で』というのは 奥様からご懐妊のことを伺ったから。薬は病院から処方されたものということでした。きっと、今頃は元気なお子さんが 生まれていることと思います」と一家に思いをはせた。
なお、同ホテルについて、閉館後も「5か月の間、いつでもオープンできるよう メンテナンスをしております」としている。
突然の体調不良に混乱する宿泊客らに寄り添い、適切な対応をとった支配人らのエピソードには、「毎度のなんて素敵な良い話なんでしょう 心があたたまります」「すごく感動しました...! 仕事中なのに泣きそうになってます 素敵な対応でした」など称賛の声が寄せられている。
【妻が息をしていないんですが…】
— 熱川温泉ブルーオーシャン (@atagawablue) July 1, 2024
その夜、フロントに緊張感が走りました。
深夜の静けさを破る電話の音が鳴り響く
私はすぐに受話器を上げた。
614号室
「フロントでございます」
電話の向こうから、男性の声が
震えていました。
「つ、つ、妻が…
息をしていないんですが…」↓