JR四国・土讃線の大田口駅(高知県大豊町)について2024年6月30日、天井の一部が崩れ落ちてきたとの情報がXで投稿され、驚きが広がっている。
同社は取材に、落下物は即日撤去し、注意喚起の張り紙を施したと説明。「列車をご利用のお客様にはご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」と詫びた。
目撃者「軋む音はしていたと思います」、原因は「現在調査中」
話題となっている投稿は、Xユーザー・緩不和まゐるん(@milen_memo)さんが「椅子に座ってたら天井落ちてきた」と現場の状況を伝えたもの。
写真をみると、線路と地続きに建つ駅舎の軒先が一部崩れている。木板のほか、雨どいが地面にねじれ落ちている様子だ。「久々に死ぬかと思ったわ」としながら、JR側に知らせるとしていた。
緩不和さんは7月1日、J-CASTニュースの取材に対して「破片は当たりましたが怪我はありません」と明かした。当時について「軋む音はしていたと思います」とするも、落下は突然だったと振り返る。大田口駅は無人駅として運営されており、駅員は不在。ほかの利用客もいなかったという。
JR四国・広報室も同日、当該事案への対応を取材に明かした。6月30日16時48分頃に通報を受け、18時30分頃には社員が現地到着。「屋根部材が落下していること」を確認し、19時15分頃までに落下物の除去と利用客に対する注意喚起の張り紙を掲示したという。
具体的には、同社の建築担当者が緊急点検を実施し、落下の恐れのある箇所の撤去および応急処置を行った。今後については、「引き続き、不良箇所(今後、崩壊する恐れのある部位)の撤去を進めてまいります」としている。原因は「現在調査中」だ。
「駅舎の老朽化は認識しており...」
一方、投稿が注目された緩不和さんは、「今後このような資金難による老朽化対策の不備、施工不良などによる事故は増えてくることが予想されます。また、利用者少なく無人駅である特性上、他に助けを呼ぶことも困難です」とも、実感を交えて危惧していた。
実際、JR四国・広報室によると大田口駅の駅舎が設置されたのは1935年。築年数89年と古いうえ、2023年度の「1日平均乗車人員」はわずか2人という状況だ。
ただJR四国は、老朽化した駅舎をアルミ製に建て替えたり駅舎を撤去したりといった取り組みも一部で進めている。大田口駅で実施する可能性を広報室に尋ねると、
「駅舎の老朽化は認識しており、2024年度中に抜本的対策の実施を検討していましたが、建替・撤去などの方法については決定しておらず、検討中の状況です」
と説明した。今回の事案への受け止め、再発防止策について次にようにコメントした。
「列車をご利用のお客様にはご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。すでに落下物の撤去や安全な導線の確保、屋根材が下がらないような固定など、お客様には、安全に駅をご利用いただけるような処置を行っております。今回の原因究明を行うとともに、適切な駅舎管理に努めてまいります」