大企業の2割で「退職代行」横行 「円満退職」「退職の流儀」が死語に...人が集まる企業、去る企業「二極化」の危機

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担当者「想定は5%程度だったが、これほど多いとは...」

J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった東京商工リサーチ情報部の本間浩介さんから話を聞いた。

――退職代行業者を今回初めて取りあげた理由と狙いは何でしょうか。また今後、退職代行業者の実態を調査する考えはありますか。

本間浩介さん これまで聞かなかった新たなサービス「退職代行」の話を聞くことが増え、実際どの程度広がっているのか確認するため実施しました。

コロナ禍から平時に戻り、人手不足が深刻さを増し、弊社が4月に実施した2024年企業の「人手不足」に関するアンケート調査でも、企業の約7割(69.3%)が「正社員不足」と回答しています。

また、2023年度の「人手不足」関連倒産も、過去最多の191件発生し、人材確保が企業を左右する課題になっています。

こうした状況下で、安易な退職に繋がりかねない退職代行の広がりは企業に与える影響が小さくないと考えました。今後も調査は行います。

――退職代行の活用について、全体で約1割の企業が経験し、かつ大企業の約2割が経験しているという結果は、率直にどう評価していますか。予想より多いですか、少ないですか。

また、大企業ほど退職代行が多い理由は何だと思いますか。個人的には、専門の人事セクションがあり、「人間関係が濃い」中小企業より正規のルートで退職の手続きをしやすいと思われるのに不思議です。

本間浩介さん 調査前は、全体の5%ほどを想定していましたが、結果は想定を大きく上回るものでした。

大企業で退職代行が多いのは、従業員の退職手続きが整備されており、退職代行を活用することでしがらみなく退職できるという心理が働いているのではと分析しています。

また、ふだん関わっていた社員も多く、それだけ複雑な人間関係に煩わされたくない感情も少なくないと思います。
一方、中小企業は、おっしゃるとおり人間関係が濃く、また人員的な面で引継ぎなどの問題が生じる可能性もあり、「退職代行を使っても、上手くいかないかも」という心理が働いているかもしれません。
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