「当時の設計に携わった職員は喜んでいます」
水戸市役所のこうした配慮は、どのような経緯でできたものなのか。水戸市総務部財産活用課の担当者は、2018年に庁舎を建て替た際に決めたコンセプトの一つが「すべての人に優しい庁舎」だったと明かした。
そこで、ユニバーサルデザインやバリアフリーを専門にする高橋儀平・東洋大学名誉教授(高ははしごだか)がプロポーザルの審査員から竣工後の監修までを務めた。左麻痺・右麻痺の人に対応したトイレやその案内表示は、高橋教授のアドバイスを受けたものだという。
多目的トイレの配慮が話題になっていることについて、取材に応じた担当者は、自身は建設当時に担当していなかったものの、
「当時の担当者に話を聞くと、いろいろな人や先生の意見を聞いて、『なるほど』と言いながら、皆さんに喜んでもらい、使いやすくなるように設計して今の庁舎に至りました。5年、6年と経ってからお褒めのお言葉をいただき、当時の設計に携わった職員は喜んでいます」
と話した。