高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 長期化するニコニコ動画の障害、企業はそこから何を学べるか

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「ランサムウェアにやられたとおぼしき時」でも身代金支払わずに解決

   いずれしても、企業として行うことは、侵入されない努力と侵入後直ちに感知できること、常日頃からのバックアップに尽きる。ちなみに、筆者のところは、オンプレミス(編注;施設内に情報システムを構築するやり方)とクラウドの異なる系統でのバックアップを行っている。ランサムウェアにやられたとおぼしき時でも、身代金を払わずにすべてのシステムを初期化しバックアップで復旧をしたこともある。万が一の時に、身代金を払うくらいなら、日頃からバックアップに費用をかけるべきだ。

   今回のような事件が国民生活に影響がある基幹インフラで起きたら大変だ。国としては、基幹インフラで今回の事態にならないようなことが肝要だ。政府のセキュリティ部門による攻撃国への能動的サイバー防御や政府内や基幹インフラへの常時モニタリングも必要だろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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