高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 長期化するニコニコ動画の障害、企業はそこから何を学べるか

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   KADOKAWAグループ企業のドワンゴが運営するニコニコ動画のサービスか長期間にわたって停止されている。サイバー攻撃への企業の対策や、国としての取り組みはどうか。

   筆者は、動画配信についてYouTubeとニコニコ生放送の二つのプラットフォームを使って行っている。6月8日、ニコニコ生放送の担当者からシステム不具合で当面配信ができないというメールが来た。

  • ニコニコ動画の障害は長期化している
    ニコニコ動画の障害は長期化している
  • 6月27日時点での「ニコニコ動画」トップページ。「2011年に投稿された人気動画」が見られる状況だ
    6月27日時点での「ニコニコ動画」トップページ。「2011年に投稿された人気動画」が見られる状況だ
  • ニコニコ動画の障害は長期化している
  • 6月27日時点での「ニコニコ動画」トップページ。「2011年に投稿された人気動画」が見られる状況だ

データをすべて削除した上でバックアップから復旧

   その後、14日の公表文によれば、今回の件はランサムウェアを含むサイバー攻撃によるものと判明したが、KADOKAWAグループの他の企業も影響を受けている。今のところ、7月末までニコニコ生放送はできないようだ。なお、ランサムウェアは、身代金要求型ウイルスといわれ、パソコン内のデータを開けなくしたり、盗んだりして、復元や暴露回避のための金銭を要求するものだ。

   14日の公表後、東京株式市場でKADOKAWA株が大幅反落し、一時戻した。しかし、22日、一部の身代金を既に支払ったらしいという報道が出て、また株価は急落した(編注:KADOKAWAは22日、「今後の社会全体へのサイバー攻撃を助長させかねない報道を行うメディアに対して強く抗議をするとともに、損害賠償を含めた法的措置の検討を進めてまいります」などとする声明を出している)。

   ランサムウェアへの対策は、データをバックアップしておき、ランサムウェアにより暗号化され使えなくなったデータをすべて削除し、バックアップしていたデータからシステム復旧するというものだ。

   今回の事件は現在進行中なので、攻撃者に情報を与えないよう詳しいことは何も公表されていない。現段階で憶測で話すべきではないが、単純な外部からの侵入ではない可能性も含めて捜査中なのだろう。

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