アナフィラキシーショックの症状は見られず
厚労省によると、この交差反応が証明されている中には、ビワが属しているバラ科の果物が含まれている。バラ科との反応は、5、6月ごろに飛散がピークを迎える白樺やハンノキなどカバノキ科の花粉が挙げられていた。
交差反応で起きる口腔アレルギー症候群では、まれにではあるものの、全身に症状が出現するアナフィラキシー反応が生じる場合があるという。
アレルギー反応を示した児童・生徒らについて、市学校給食センターの所長は、学校を通じて調査中ではあるものの、「口腔アレルギー症候群を発症した可能性は、限りなく高いと考えています」と明かした。ただ、アナフィラキシーショックの症状は見られなかったとした。
過去の報道を見ると、東京都大田区立小学校で19年6月、児童11人が体のかゆみなどを訴えて救急搬送され、給食に出たビワが原因でアレルギー症状が起きたとみられるケースがあった。
一方、市学校給食センターでは、ビワはアレルギーのガイドラインに品目がなく、最近、近隣の市町村でビワを給食に出す小中学校が多数あることから、市でも、給食に出したと説明した。
なお、今回は、ビワによるアレルギー反応が多数出ていることから、X上では、別の原因もあるのではないかとみる専門家もいる。農水省のサイト「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」では、ビワなどの未熟な果実や種子には、アミグダリンなどの有害なシアン化合物が含まれていて、食べると頭痛やめまいなどの症状を起こす場合があるとされている。
この点について、市学校給食センターでは、「腐っていたり、色が悪かったりするものは弾いており、未熟ではなく食べごろのビワを出しています。別に原因があるかについては、今後調べてみないと分かりません」と話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)