脱衣自体が問題になることは「正しい診断に結びつかない」
児童生徒への心情やプライバシーの配慮は当然必要だが、脱衣自体が問題になることは、正しい診察につながらないのではないか。森戸さんは、次のように見解を述べた。
「学校健診では、何百人、少なくとも何十人を一度に短時間で見なければいけません。その時に情報量が多くないと、正しい診断に結びつかないことがあります。たとえば背骨に側弯がないかどうかということは、着衣のままでは見落としがありえます」
また、アトピー性皮膚炎の悪化や傷、皮下出血から医療の忌避や虐待の発見につながることも少なくない。森戸さん自身も、子どもの身体に不自然なあざを発見し、虐待の発見につながった経験があると話した。
「なるべく脱衣でいることが望ましいですが、当然、脱衣のまま待っている必要はありません。すぐ脱げるような状態で、診察自体はプライバシーが保たれる状況で、同性の第三者の同席のもと行われるのがよいと思います」