東京都保健医療局は2024年6月20日、10日から16日までの小児科定点医療機関からの「手足口病」の患者報告が警報基準を超え、大きな流行になっていることを注意喚起した。
流行中の「手足口病」は、感染症対策はどんなことが必要か東京都保健医療局に聞いた。
患者報告数が2年ぶりに都の警報基準を超える
手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱は、主に夏に小児を中心に流行する感染症だ。
東京都保健医療局の6月20日の発表によると、特に手足口病については、都内の小児科定点医療機関からの第24週(6月10日~16日)における患者報告数が2年ぶりに都の警報基準を超え、大きな流行となっているとしている。
手足口病の患者発生状況としては、管内の定点当たり患者報告数が5.0人/週を超えると警報開始となるという。なお、警報は、2.0人/週を下回る(警報終息)までつづく。そして、警報開始から警報終息までの間の状態を「警報レベル」としている。
6月20日の発表時点で、「警報レベル」にある保健所は31か所中11か所となっており、保健所管内人口の割合は東京都全体の35.67%に達し、警報基準を超えているという。
手足口病は、口の中や手のひら、足の裏などにできる発しんや水ほうができるのが主な症状。熱を伴う場合もある。特効薬はなく、つらい症状をやわらげる対症療法が中心とされる。
感染経路としては、患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛まつ感染や、水疱の内容物や目ヤニ、便の中のウイルスが、手を介して口や眼などの粘膜に入ることによる経口及び接触感染が主だったものだ。
東京都保健医療局感染症対策部に話を聞くと、「手足口病は以前かかったから、もうかからないということはなく、異なる型のウイルスに感染すれば大人でも何度もうつることがあるため注意が必要」とした。
また、今年は5月頃からの早い流行であることを指摘し、対策として「アルコール消毒が効きにくいため、流水や石けんでのこまめに手を洗い、自分専用のタオルで手を拭くようにしてほしい」と呼び掛けた。
なお、現在(6月20日時点)で手足口病の患者の報告数の多い地区は、江東区、江戸川区、荒川区、文京区、町田市、台東区、中野区、多摩小平市、大田区、港区、八王子市。