問題相次ぐ「学校健診」 校医に求めるのは「いやな検査があったら『やめてほしい』と言っていい」許可【学校健診問題を考える(上)教師の見方】

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学校健診は「すべての児童生徒を医療機関へとつなぐという意味」で重要

   学校健診時の問題の頻出を受け、SNSでは学校健診は不要だ、やめるべきと言った声も上がっている。

   山田さんは「確かに、短時間で多くの児童生徒の健診を行うことは、その精度が十分理想的なものだとは言えないでしょう」としつつも、次のように、学校健診の必要性を説明する。

「学校における健康診断で重大な疾患が見つかる例もあること、またこれだけ多くの児童生徒に漏れなく健診をし、疾病を早期に治療する機会を得る方法が、現状では他にないと言えます」

   さらに、家庭状況や保護者の健康に対する考え方は、児童生徒ごとに異なる。つまり、「この程度でも、病院に受診させる」という家庭と、「どうして、こんなにひどくなるまで受診させなかったのだ」という家庭とが混在するのだ。

「そうした家庭状況に関係なく、すべての児童生徒を医療機関へとつなぐという意味において、学校における健康診断は、今なお重要な機会であることは間違いがありません」

   またもう1点、虐待を受けている児童生徒の早期発見のためにも、学校健診は必要だという。

「外傷を見つける、虐待に起因する成長不全を見逃さない重要な機会として、学校における健康診断が機能していることを忘れてはならないと思います」
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