管理部門はなぜテレワークさせてもらえないの? 担当管理職が明かす「ある理由」

ひとり暮らしの独身男性の「メンタル」に不安

   面倒なのは、郵便や宅配便の受け取りだ。受け取りのサインが必要な場合もあるし、届いたことを現業部署に連絡したりする必要がある。

「このためだけにアルバイトなどを張り付かせるわけにもいかず、結局管理職が常に出社し、兼任という形で雑用をするしかなくなるんですよね」

   ただし、管理部門にテレワークが向かない根本的な理由は、別のところにある。「業務のアウトプットが明確ではなく、遠隔では業務の実態が見えにくいから」だ。

「ひとことで言うと、サボろうと思えばけっこうサボれてしまうんですよね。業務の繁忙の波がどうしても生じてしまい、平準化が難しいので仕方ないんですが。特に厄介なのは、サボること以上に、不正の機会を与えることにつながったり、社員のメンタル管理ができなくなったりすることです」

   不正の機会を与えてしまうと、根っからの悪人でなくても、つい魔が差してしまう。オフィス出社なら根絶できるというわけではないが、やはり他人の目があるとやりにくいだろう。特にお金関係や情報関係は、問題が起きると影響が大きい。

   Aさんの職場では、サボりに加え、仕事とプライベートの切り替えがしにくくなることで、メンタルを病んでしまう人が実際に出てしまったという。特に心配されるのが、ひとり暮らしの独身男性だ。

「担当社員が知らないうちにメンタルを病んでいたときには、業務の再開が大変でした。独身男性は営業にもいますけど、こまめに成果を問われるので、報告・連絡・相談をはじめとするコミュニケーションが発生します。管理部門だと、業務の開始と休憩、終了の報告だけだったりして、緊張感を保つことが難しいのも事実ですね」
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