「自分一人では思いつかないアイディア」と「虚偽の危険」
――なるほど。意外に企業側は好意的なのですね。調査結果では、補助的に使っている人が多いようですが、実際に使う場合は、具体的にどういう点に気を付ける必要があるでしょうか。
中島英里香さん 生成AIを使うリスクとして、生成された内容には虚偽やバイアスが含まれている可能性、機密情報や個人情報流出のリスク・生成コンテンツの著作権の侵害の可能性があげられます。リスクを回避するためにも、たとえば以下のような注意が必要だと思います。
・エントリーシートなどを生成AIに読み込ませる場合に、個人情報や機密情報は入力しない。
・生成されたものをそのままエントリーシートや提出課題に利用しない。
・また、就職活動でのミスマッチを防ぐためにも、自分らしさが相手に伝わることを念頭に置いて利用していただきたいです。
――生成AIを使いたくないという学生もいるでしょう。就活に使うメリット・デメリットに関しては、どのように考えていますか。
中島英里香さん メリットとしては、自分一人だけでは思いつかなかったようなアイディアや表現が得られ、それによって作成したものがよりよくなることです。また、生成AIの利用は基本的に時間や場所を選ばない点も大きなメリットだと思います。
デメリットとしては、生成された内容には虚偽やバイアスが含まれている可能性があるため、生成内容の検証や確認が必要であること、そして、自身のリテラシーの向上が必要である点だと思います。