相手を非難する意味も含まれる
今回の日本コカ・コーラの「遺憾」について、金森氏はこう説明する。思い通りにならなくて残念という気持ちのほか、自分の立場を釈明したり相手を非難する意味も含まれるため、言葉の意味の受け止め方は人によってさまざまだと感じるだろう――。
「『遺憾』という言葉は、『誠に遺憾です』『遺憾ではございますが~』『遺憾の意を示す』など、決まり文句のように使われがちですが、言葉の意味を正しく理解した上で適切に使わないと真意が伝わらない可能性があります」
一般的に「遺憾」という表現は公的な場で使われることが多い。思い通りの結果を得られずに、自分側の行為に対して「残念だ」「悔しい」という気持ちを表す場合だ。例えば「遺憾に存じます」と使う。一方、相手側の行為に対して非難を表明するときにも使われる。「遺憾の意を表明する」などだ。
「遺憾」を使ってはいけないケースもある。こちらの不手際で相手に迷惑をかけた、不快な思いをさせた場合など、謝罪すべき場で、謝罪の言葉のかわりには使わない。「申し訳ないという気持ちを伝えたいときは、はっきりとわかる謝罪の言葉で真意を伝える必要があります」と、金森氏は話している。