「円安」企業の半数「マイナス」で「プラス」たった4% 希望レート「1ドル=125円未満」...現状と約30円の差どうする?

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地方では、インバウンド需要でカバーするの厳しすぎ

   J‐CASTニュースBiz編集部は、東京商工リサーチ情報部の調査担当者に話を聞いた。

――円安が企業の経営に与える「マイナス」と「プラス」のギャップが、規模や業種別に激しいです。特に、小売業や中小企業にマイナスが多いのはなぜでしょうか。

調査担当者 小売業では商品の仕入れを海外からの輸入に頼っているケースが多く、円安による仕入コスト上昇の影響を受けやすい面があります。また、販売先が消費者であるために価格転嫁が進みづらく、採算の悪化につながりやすい傾向があります。

中小企業も、サプライチェーンの多重構造のなかでは立場が弱い存在です。また、大企業に比べると経営体力に乏しいことが多いため、円安によるコストアップが経営にマイナス影響を与えやすいのです。

――しかし、百貨店・スーパーが100%マイナスというのはちょっと理解できません。百貨店はインバウンドの外国人客で潤っているように見えます。私自身、先日、東京銀座の三越と松屋に行きましたが、店内は外国人客がいっぱいで身動きができないほどでした。

調査担当者 百貨店・スーパーも小売業の1つで、食品などの仕入コスト上昇が利益を圧迫しています。円安によりブランド品など高価格帯の商品の値上げが続いており、国内向けの販売が厳しくなっています。

東京銀座の話が出ましたが、インバウンド需要は東京や大阪など、都市部を中心とする一部の地域に限られています。地方では国内向け販売の落ち込みをインバウンドでカバーすることは難しい状況です。

また、百貨店や総合スーパーなどは売り場面積が広いため、円安によるエネルギー価格の高騰に伴い、空調などにかかる電気代上昇の影響を受けている可能性もあります。
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