公正取引委員会は2024年6月19日に、大阪市内で食品業者からラベルの印刷などを請け負う大阪シーリング印刷(大阪市天王寺区)に対して、下請代金支払遅延等防止法違反による勧告を行った。
社内体制の整備のために必要な措置など求める
公正取引委員会の発表によると、大阪シーリング印刷はラベルなどの印刷物の製造販売を行っている。デザインは、個人または下請けの中小企業に対して、食品容器に貼るラベル・パッケージを委託している。
今回問題になったのは、下請事業者が作成したデザインについて、受け取った後の検査において問題がないとしたにもかかわらず、同社の顧客からやり直しの依頼があったことを理由として22年4月から23年10月までの間に、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに合計2万4600回のデザインのやり直しを無償でさせた。
なお、大阪シーリング印刷は24年5月20日に下請事業者に対し、デザインのやり直しの費用に相当する額として総額984万円を支払っている。
勧告の概要として、下請事業者から受領したあとにやり直させることにより、下請事業者の利益を不当に害することがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずることなどを求めた。