東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)をめぐり、立候補予定者による共同記者会見が2024年6月19日、東京・内幸町の日本記者クラブで開かれた。
都知事選には50人以上が立候補するとみられており、そのうち今回の会見に出席したのは現職の小池百合子知事、蓮舫参院議員、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏の4人だった。蓮舫氏は、テレビ局が打診する討論会企画が、小池氏側が断ることが原因で実現しないことを指摘。小池氏は「公平性の担保」を理由に慎重姿勢を示し、蓮舫氏は4人による会見が開かれたことで「ひとつのスタンダードがここにできている」とした。
小池氏側が断るので「番組の企画そのものが成り立たない」
記者会見は、最初に4人がそれぞれ「私が実現する政策」を述べた上で、4人が別の候補予定者を指名して質問する、という形式で進行。最初に質問の機会が与えられたのが小池氏だったが、「皆さんの声もうかがいたい」として質問しなかった。
次に順番が回ってきた蓮舫氏は、小池氏に対して「今後の討論会のあり方」について質問した。いわく「毎日のように私のところにテレビ局から、小池都知事と蓮舫の討論会を企画したいというご依頼をいただく」が、「小池都知事側から多忙を理由に断られてしまって『番組の企画そのものが成り立たない』と言われてしまっている」。民主党政権時代に大臣として選挙に臨んだ経験をもとに
「夜のニュース番組の時間帯の9時とか10時とか11時まで、そこまで公務があるというのは、なかなか連日続きはしないと思う」
として、
「テレビ番組が企画をした討論会にぜひ一緒に出ていただけないでしょうか」
と求めた。
「でも、今日ここで記者クラブの主催でも4人ということでやらせていただいている」
対する小池氏は、公務多忙に加えて、「公平性の担保」にも言及。次のように応じた。
「今回は50人以上も出られるということで、この公平性の担保をどうするのかは非常に大きなテーマ。もうすでにいくつかご要望もいただいており、それらの討論の機会を生かしていきたいと思う」
蓮舫氏は「公平性の担保は大事」だとした上で、
「でも、今日ここで記者クラブの主催でも4人ということでやらせていただいている。ひとつのスタンダードがここにできていると思う」
と反論。「今、知事から前向きな言葉をいただいた」とも話し、引き続き討論会の実現を目指していきたい考えだ。
「これからもテレビ番組の討論会等を通じて、有権者の皆様方に私の考えも伝えていきたい」
田母神氏は石丸氏に対して、石丸氏の市長時代の成果について質問。石丸氏は、市民の政治への興味を高めた点を挙げた。石丸氏は小池氏に対して(1)これまでの2期8年で何ができなかったのか(2)さらに4年務めるとなぜできるようになるのか、について質問した。
小池氏は、164項目にわたって掲げた政策目標のうち「コロナの期間に、なかなかできなかった項目が10ほどある」と説明。「2期8年の実績をもとに、さらにブラッシュアップしていきたい」とした。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)