東京都知事選(2024年6月20日告示、7月7日投開票)をめぐり、現職の小池百合子知事と蓮舫参院議員が6月18日、相次いで公約発表会見を開いた。小池氏は第1子の保育料の無償化などを盛り込む一方で、蓮舫氏は現役世代の手取りを増やすことで「本物の少子化対策」を目指すとしている。
大きく異なったのは記者会見のスタイルだ。小池氏はオンライン限定だったのに対して、蓮舫氏は都内の貸会議室に約80人の報道陣を入れて記者会見した。この日、蓮舫氏が所属していた立憲民主党は蓮舫氏の離党を承認したが、都知事選では蓮舫氏を支援する考え。
オンライン限定は「ご希望の方全てに参加いただけるように」
小池氏は「もっとよくなる東京大改革3.0」を掲げ、
「これからも都民のため、都民とともに、都政を爆速で進めていく」
などと話した。
小池氏の会見時間は42分ほどで、オンライン限定にした理由を
「マスコミ各社、ネットメディア、フリーランスの記者の方々から非常に多くのお問い合わせをいただいた。ご希望の方全てに参加いただけるように、オンラインにての公約発表とさせていただいている」
と説明した。
ズームで「挙手」している記者を小池氏が指名する仕組みで、5人が質問。指名されたのは日本経済新聞、テレビ東京、フリーランス、NHK、ニュースサイトの「みんかぶ」の順だった。さまざまな属性の記者を指名した形だ。
蓮舫氏の会見は1時間ほどで、都内の貸会議室で行われた。報道陣には事前にメールで告知され、事前登録は不要だった。司会を務めた山岸一生衆院議員(立憲)によると、約80人の報道陣が参加し、そのうち18人を指名した。80人のうち、記者クラブ加盟社に所属していないとみられる人は20人ほどだったという。
岡田幹事長、小池氏を「逃げの姿勢」と批判
蓮舫氏の会見では、小池氏のメディア対応への評価を求める質問も出た。蓮舫氏は
「私が言うのもアレで皆さんの評価だとは思うんですけれども......私はできるだけ多くのメディアの皆さんの声を聞きたいと思っています」
などと応じた。
立憲民主党はこの日の常任幹事会で、蓮舫氏の離党を承認。岡田克也幹事長が直後に開いた会見では、引き続き援護射撃の姿勢を鮮明にした。岡田氏は蓮舫氏の会見について「途中までしかやり取りは見ていない」が、「広く記者の皆さんから質問が出て、それに答えていた」と評価した。一方の小池氏の会見については「非常に限られた方の質疑しか受け付けなかった」。蓮舫氏の会見とは「非常に対象的だったと思う」として、
「何か聞かれたら困ることがあるのかな、というふうにも思えるような逃げの姿勢というのはいかがなものか」
と批判した。
都知事選には50人以上が立候補するとみられている。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)