「初回はまんまと騙されて」高級弁当5個が被害 東京・日本橋の老舗が訴え「許しません」

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   江戸時代から続く東京・日本橋の老舗弁当店が、消費期限が希望と違うとクレームを入れられ、交換した弁当5個をだまし取られたとして、X上で注意喚起している。

   訴えたのは、創業が嘉永3(1850)年で、現存する中では日本最古の弁当店だという「日本橋弁松総本店」だ。

  • 日本橋弁松総本店の公式サイト
    日本橋弁松総本店の公式サイト
  • 弁松の商品の1つ「白詰」(ナショナルデパートのプレスリリースから)
    弁松の商品の1つ「白詰」(ナショナルデパートのプレスリリースから)
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  • 弁松の商品の1つ「白詰」(ナショナルデパートのプレスリリースから)

レシートと現物を必ず確認し、毅然とした対応呼びかけ

   日本橋に本店があり、デパ地下などにも12店舗を展開している。どこか懐かしい味がする「甘辛の濃ゆい味」の弁当を売りにしている。税込みで1100円台の「白詰」~2700円台の弁当がある。

   同店は2024年6月14日、「デパ地下の同業他社のみなさまへ」と題して、公式Xで被害について報告し、投稿の拡散を求めた。

   それによると、店の売場に非通知で電話がかかって来て、次のような内容のクレームがあったという。

「弁当を5個買ったが、消費期限が22時のものを希望したのに20時だったから、全部交換しろ」

   実際、年配女性が数日後に引き取りに来たといい、弁当5個の現物は捨てたと主張した。店では、クレーム対応を優先して、この女性の言われるままに代わりの弁当5個を渡してしまった。

   5個のまとめ買いは珍しいので、後でレジの履歴を調べたところ、購入の該当はなかったという。この女性は、実際には購入していなかったとみられ、「弁松では初回はまんまと騙されて渡してしまいました」と告白した。

   公式Xによると、その後13日に別の店でまったく同じような非通知の電話がかかって来て、名前も言わずに、6個買ったと言い張った。しかし、弁当は5個しか納品されていなかったため、スタッフがそのことを伝えたところ電話を切られたという。投稿では、「同一人物の可能性が高いと思います」としている。

   「詐欺師の間で流行っているテクニックなのでしょうか?」。投稿では、こんな見方をしたうえで、もし同様の電話がかかってきた場合、レシートと現物を必ず確認し、毅然とした対応をするよう他社に呼びかけた。

業界団体も口々に「そのような被害は初めて聞きました」

   こうした「詐欺」行為に対して、店では、「一生懸命作った商品を騙し取ろうとすること、販売スタッフに対して理不尽なものの言い方で騙そうとする行為は許しません」と憤っていた。

   店の投稿には、2万件以上の「いいね」が集まっており、様々な声が寄せられている。

   「接客の仕事をやったことある者として許せません」「レシート持参でなければ購入証明にもならないので拒否でいい」といった声のほか、「昔から良くある手口ですね」「まずレジを確認した方がよいですよ」との指摘もあった。

   弁当店なども加入している日本惣菜協会の担当者は6月18日、J-CASTニュースの取材に対し、「会員からは、そんなお話は出ておらず、初めて聞きました」と明かした。

「弁当に髪の毛が入っていた、といったクレームはよくあります。スーパーやコンビニなどでも、弁当などを何個売ったかは記録があり、全部確認できます。消費期限などの表示間違いも、遡って調べることができます。店員が慌てて対応してしまうケースは考えられますが、具体的に調べさえすれば、被害は出にくいのではないかと思っています」

   デパートでつくる日本百貨店協会も同日、取材に対し、「そのような被害のお話は、全然聞いたことはありません」と答えた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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