中高校生は親の想像以上に「将来」と「お金」考えている! 親子一緒に金融リテラシーを高める方法/第一生命経済研究所の北村安樹子さん

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子どもに将来の進路と学資の話をすべきか?

――それにしても、将来の進路とお金の心配をする中高校生が非常に多いですが、親はどうやって学資の話などをすればよいでしょうか。日本では「家では、お金の話をしづらい」雰囲気があります。

北村さん 先ほど述べたように、子どもにとってお金の話ができる相手は親などの保護者が中心です。親しい友人や専門家相手でも、話しにくいテーマなので、率直に相談できる親がいることは大きな安心感になります。

ただ、親に相談できない場合など、話しにくくても第三者に相談することが、トラブルの回避や事態の改善につながることは知っておく必要があります。1人で抱え込まず、学校の先生や自治体の相談窓口などを通じて周囲の信頼できる大人に相談してみることも大切です。

子どもの進路選択時には、学資などへの対応策に多くの親子が向き合うことになるでしょう。今の子どもは、親が思っている以上に自分の将来についてよく考えています。

子どもが自分の学費や、一人暮らしの生活費などにどの程度の費用が必要か、また、関心を持つ職業はどの程度の収入が見込めるのかといったことを知ることは、とても大事です。

しかし、だからといって、必ずしも親が資金計画や家計の状況を子どもにすべて話す必要はないと思います。

――それは、どうしてですか。

北村さん 現在は、学資保険や奨学金などが充実しており、親子の双方にとって進学費用の選択肢が広がっています。また、親世代には子どもの教育費について早い時期から考えている人が多いです。

お子さんの性格、タイプ、ご家庭の事情によってケースバイケースですが、子どもが費用を心配して夢をあきらめるとか、将来について委縮することがないようにしたいと考える親は多いでしょう。

一方で、家計の見通しをある程度理解させたうえで、進路選択の幅を広げることや奨学金の利用について一緒に考えていくことが、自立を促していくことにつながる場合もあるのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)



【プロフィール】
北村 安樹子(きたむら・あきこ)
第一生命経済研究所ライフデザイン研究部 副主任研究員

1995年ライフデザイン研究所(現・第一生命経済研究所) 入社。
ライフコースの変化や生活者意識に関する各種調査研究に従事。最近の研究テーマは、シングル化、成人期以降の家族関係、言葉・意識のジェネレーションギャップなど。

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