中高校生は親の想像以上に「将来」と「お金」考えている! 親子一緒に金融リテラシーを高める方法/第一生命経済研究所の北村安樹子さん

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子どもにお金の成功談より失敗談を話そう

――なるほど。お金の使い方をポジティブに学んでいこうというわけですね。ところで、中高校生から課題になるのは、キャッシュレス決済の利用方法です。親は日ごろからどういうことに気を付けるべきでしょうか。

北村さん キャッシュレスは、お金の流れが見えないので、現金とのトータルで、いくら使ったかの収支を意識させることが必要になります。具体的には、パソコンやスマホをうまく活用してざっくりとでも振り返りの機会をもてるとよいですね。

これも、お小遣いの収支管理で述べたように、記録自体より、振り返りの結果を次のポジティブなステップに活かすことが重要と考えます。お金の使い方に関しては、子どもの意思を尊重して、おおらかにみてあげてほしいです。

――どういうことですか。

北村さん 子どもは成長とともに家庭以外に世界を広げますが、親しい友達でも、お金の相談はしにくいものです。お金の話は、親子の大切なコミュニケーションのテーマであり続ける可能性があります。

親も、私生活や仕事上でお金に関するトラブルを経験しそうになったり、怖い思いをしたりしことがある人はいるでしょう。自分や他者のお金に関する小さな失敗談、ヒヤリハットの経験談をある程度フランクに話してみてはいかがでしょうか。

そうすれば、子どももお金の使い方に関して「世の中にそんなことが本当にあるのか」などと気をつけるようになるのではないかと思います。

――なるほど。金融リテラシー向上のためメディア活用が大事と強調していますが、高校生の間でニュースに関心を持つ人と持たない人の二極化が進んでいます。
また、情報を新聞やテレビではなく、SNSから得ている高校生も増えています。親として、どのようにニュースに関心を持たせ、金融リテラシーを高めていけばいいでしょうか。

北村さん たとえば現在、円安の影響が問題になっていますが、それがビジネスチャンスになる領域と、悪影響を受ける領域があることについて、親子で議論を深めてほしいです。

その際、ニュースソースは何なのか。新聞・テレビなどのメディアか、ニュースサイトか、またSNSか? ソースによってテーマの取り上げ方がどう違うのか。親子で話し合ってみるといいでしょう。

SNSを利用する子どもには、お金をめぐる知識・判断力の不足を心配する親が多いです。しかし、既存の価値観や経験にとらわれない視点や、新しい機器・サービスなどへの適応力など、子どものほうが柔軟な面もあります。親が、お金に関する気づきや、学びの視点を得られることがあります。
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