交流戦で7勝11敗と負け越した中日。2024年6月17日時点で、借金が今シーズンワーストの6に膨らんだ中、戦力のテコ入れで注目されるのがトレード補強だ。
補強ポイントは先発陣とチャンスメーカー
中日は昨年(2023年)の交流戦終盤に、日本ハムとトレードを敢行した。山本拓実、郡司裕也を交換要員に、投手の齋藤綱記、捕手の宇佐見真吾を獲得した。
その後の4選手の活躍を見ると、このトレードは大成功と言えるだろう。
中日に加入した齋藤は左のセットアッパーで不可欠な存在になり、今シーズン26試合登板で2勝1敗12ホールド、防御率0.44をマーク。抜群の安定感でブルペンを支えている。
宇佐見も31試合出場で打率.284、0本塁打、5打点をマーク。得点圏打率.455は驚異的な数字だ。木下拓哉が5日にファームに降格以降は、先発マスクをかぶる機会が急増している。
中日の補強ポイントは、先発陣とチャンスメーカーになる。
エースの柳裕也が4勝4敗、防御率3.41と安定感を欠きファーム調整に。梅津晃大も1勝4敗、防御率4.38と白星が伸びない。
打線ではリードオフマンの岡林勇希が打率.188と状態が上がらず、開幕から好調だった村松開人も6月は月間打率.109と調子を落としている。1、2番が日替わりで固定できていない。
日本人枠で起用できるメリットがある
「セ・リーグは混戦なので、チームを立て直せば十分に戦える。トレードの交換要員で有力候補になるのがビシエドでしょう。一塁は中田翔のほか、カリステも守らせているので出場機会になかなか恵まれていないが、シュアな打撃は健在です」(スポーツ紙デスク)
ビシエドは今シーズン15試合出場で打率.209、1本塁打、2打点。交流戦中の9日に登録抹消され、ファームで調整している。
推定年俸3億5000万円と高額であることがネックだが、国内FA権を保有するビシエドは日本人枠で起用できるメリットがある。他球団に電撃トレードの可能性は――。(中町顕吾)