楽天が交流戦初優勝で息を吹き返した。最終戦となった2024年6月16日の広島戦(楽天モバイル)で5-3と快勝し、13勝5敗に。優勝争いを繰り広げていたソフトバンクを振り切った。
野手、投手ともに若手の台頭が目立つ
交流戦を迎える前まで借金8。5月21、22日のソフトバンク戦で0-21、0-12と2試合連続で大敗を喫するなど明るいニュースが少なかった。
だが、交流戦は若手が快進撃の原動力になった。
リードオフマンの小郷裕哉が6月5日の阪神戦(甲子園)で9回に逆転2ランを放ち、8日の中日戦(バンテリン)でプロ入り以来初の満塁アーチ。11日の巨人戦(楽天モバイル)でも逆転サヨナラ2点適時二塁打と勝負強さを発揮した。
同学年で同期入団の辰己涼介、渡辺佳明、太田光も奮闘。チームの中心的な役割を果たした。
投手陣も早川隆久、内星龍、藤井聖、ドラフト1位左腕の古謝樹と若手の台頭が目立つ。
39歳のベテラン右腕・岸孝之は6月9日の中日戦(バンテリン)で5回3失点の投球内容で今シーズン6敗目を喫すると登録抹消に。首脳陣が岸のファーム調整を決断できたのも、先発陣が充実している裏返しと言えるだろう。
実戦登板から3か月近く遠ざかる田中将大
一方で厳しい立場に追い込まれているのが、田中将大だ。
日米通算200勝まであと3勝に迫っているが、今シーズン1軍登板なし。3月20日のイースタン・リーグDeNA戦(横須賀)を最後に、実戦登板から3か月近く遠ざかっている。
スポーツ紙記者は
「万全のコンディションを取り戻し、ファームである程度結果を残さないと、今の楽天の先発陣に入る枠がない。大記録が掛かっているのは分かりますが、温情で投げさせる世界ではない。交流戦に優勝したとはいえ、まだ首位のソフトバンクと11ゲーム差離れている。勝ち続けるしかないですから」
と指摘する。
完全復活した田中将の勇姿は見られるだろうか。(中町顕吾)