子どもが学校に入学すると、多くの保護者が一度は関わりを持つPTA活動。近年、活動の負担が大きいことから、保護者の間ではPTA役員をやりたくないという声や「PTA不要論」も唱えられています。
そうした中、XではPTA活動に関する経験談や意見が投稿されており、存在意義を考えるきっかけにもなっているようです。
ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」、今回は「PTA活動」について掘り下げます。
独特のルールにゲンナリ...「PTA役員をやりたくない」と言わせる例
PTAという保護者の集まりの中において、独自のルールが設けられていることがあり、それが活動の負担の一因になっていることも珍しくありません。
あるXユーザーは中学校のPTA役員になったときに、配布された資料を見てゲンナリしたという話を投稿。その資料には、PTA会合で使用する書類の書式や文章の表記ルールが細かく明記されていたのだそう。
「子供→こども」「平素→日頃」うっかり来年度のPTAの役員になり、配布された資料の一部を見てゲンナリした話 - Togetter
配布された資料には、書類を作成するうえでのルールについて、たとえば「子供」は「こども」と書く、というような漢字の表記から、形容詞、動詞、締めの言葉、慣用表現まで定められていたそうです。
また、書式にいたっては「一文字空ける」、書類が一定の枚数におよぶ場合はプリンターに出力するなど、厳格に決まりごとが書かれてあったとか。
この内容を見たXユーザーからは
「なんだこれ...」
「何と戦っているのだろう」
「こんなこと気にしてたら生産性も上がらないはず」
「PTA活動はただでさえ面倒な仕事が多いのだから、負担を減らす方向で改善したほうがいい」
と独自のルールを否定的に見る声が多くありました。
また「学校が求めてるっていうより、面倒な保護者からのクレームに対応していった結果では」との考察や、「PTA役員現役の頃も『使ってはいけない表記一覧』がありました」「学校関係の文書を作るときに同じことを言われた」と、他の学校でも同様の例があるとの報告もありました。
PTAを廃止するまでの手続きがスムーズで「参考にしたい」
PTA活動の負担の大きさが問題視されている中、保護者がみずからPTAそのものを解散させたという例もあります。
実際に、子どもの通う小学校のPTAが解散したというXユーザーは「コンサル(タント)が入っているのかというくらい美しかった」と、解散までの流れを投稿しました。
小学校のPTAがついに解散するが、一連の手順がコンサル入ってるのかってくらい美しかった「欲しかったノウハウ」 - Togetter
解散となったきっかけはコロナ禍でPTA活動が縮小され、不要な役割が浮き彫りになったこと。
その時のPTA役員たちはPTAの必要性についてアンケートを取り、次年度の役員候補者もいないと判明したことから臨時総会を開き、解散の決議が行われた...という流れだったそうです。
なお、この小学校では10年くらい前から「新入生保護者説明会の時に体育館の扉を閉めて(保護者を)逃げられなくしてPTAの係を決めていたらしい」とも。PTA役員をやりたくないと考える人が多かったことが裏付けられる話も付け加えられていました。
近隣の小学校でも同じような動きがあり、解散の決断をしやすかった要素もあったそうですが、投稿者は「それでも何十年も続く組織を廃止するのは相当パワーがいりますね」と感想を述べています。
一連の投稿を読んだ人たちは
「なるほどこういう風にやるのか...これは貴重なノウハウです」
「『PTAじまい』のマニュアルとして全国の自治体に情報共有して欲しいくらい」
と絶賛。貴重な経験がこうしてシェアされているのもXならではかもしれません。
ちなみに、この学校ではPTA廃止と同時に、学校側と保護者の連携機能を持った組織(保護者会)を別途立ち上げているそうです。
PTAがないと親の要望が学校に届かない?あってよかったと思える出来事も
もっとも、PTAを廃止することの弊害を指摘する声もあります。
あるXユーザーのお子さんはPTAがない小学校に通っていましたが、子どもが学校生活で担任とのトラブルにあった際、PTAがないことで、他の保護者と徒党を組めなかった経験から、PTAに対する考え方が変わったのだそうです。
PTAのあり方は変わるべきだと思うけれど、無くしてしまうと有事に徒党を組めないので安易に廃止すべきではないという話 - Togetter
そのためこのユーザーは「PTAを安易に廃止すべきでない」と考えており、理由として「PTAが無いってことは、学校内の横のつながりだけではなく、もっと大きいつながりが失われるので、有事の際はほんまに終わる」と述べています。
また、PTAという組織について「今は在り方を変えて存続した方がいい派です。無くすと新しく組織できないから」とも。
この投稿に対し、同じように「PTAがあって良かったと感じた」という保護者からの経験談が続きました。
「埼玉で子どもの留守番禁止という条例が可決されそうになったとき、真っ先に反対したのはPTA協議会だった」など、PTAの存在が功を奏した事例も示されています。
ほかにも、「『学校を監視する保護者の目・保護者のネットワーク』は無くしてはならないと思う」「完全に労働組合と一緒なんだよな」など、PTAの廃止に対して慎重論を唱える意見もありました。
このようにXではPTA活動を見直すべきといった声や、思い切ってPTAを廃止した経験談や廃止の是非を問う議論など、今まさにPTA活動に関わるすべての保護者にとって見逃せない発言が投稿されています。
当事者となっている人たちにとって、参考になることも多くあるかもしれません。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。
【まとめ一覧】
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