制作意図が伝わらずに誤解?レコード会社は「発表がすべて」
ただ、コロンブスの歌詞では、類人猿から人類が分かれたともされる「500万年前」に寄り道をしたという内容が書かれている。コロンブスがアメリカ大陸を「発見」したのは15世紀のことで、MVでは、まったく違う時代が描かれていた可能性もある。
このことから、批判について、「本人たちはその視点からMVを作っているわけではないと思う」「500万年前に立ち寄った異世界ファンタジーとして楽しめば良いのでは」との指摘も一部で出ていた。
ネット上で騒ぎになったことを受けて、レコード会社のユニバーサルミュージック合同会社とバンドの所属レーベルEMI Records、所属事務所Project-MGAが6月13日昼過ぎ、公式サイトなどでニュースリリースを連名で出した。
そこでは、「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」として、MVの公開を停止したことを明らかにした。このMVについて、「当社における公開前の確認が不十分」だったと説明して謝罪し、「今後はこのような事態を招くことのないよう細心の注意を払い、皆様にお楽しみいただける作品をお届けしてまいります」と締め括っている。
MVは、500万年以上前の設定として描いたようだが、騒ぎになったのは、その意図が伝わらずに誤解を招いてしまったということなのだろうか。とはいえ、批判も予想されるような内容になっており、社内などでチェック体制はできていたのだろうか。
ユニバーサルミュージック合同会社の広報担当者は13日、J-CASTニュースの取材に対し、「基本的に公式サイトに出ていることがすべてです。歴史や文化的な背景への理解不足や公開前の確認が不十分だったことに尽きます」とだけ答えた。先住民団体などから抗議は来ていないという。
このMVは、コカ・コーラのキャンペーンソングにもなっている。製造・販売する日本コカ・コーラは、「多様性の尊重」を公式サイトで掲げており、その中には、「人や国の不平等をなくそう」とのキャッチフレーズもあった。同社の広報にも取材したが、13日19時までに回答は得られなかった。