対策浸透には「皆様が想像されているよりも、はるかに時間がかかる」
短期の対応として、7月末までにパイロットとCAに対して「理解度および定着度の確認」を行い、中長期対応として10月末までに全社員を対象に規程や大量飲酒の危険性に関する教育など行う、としている。
禁酒令解除のメドについては次のように話し、ある程度時間がかかるという見通しを示した。
「対策の進捗等をモニターしながら、かつ、現場に知識、考え方、あるいは社員同士の声のかけ方といったものが、ある程度浸透したであろうということを前提に、そういったところ(解除)に向かっていくのではないか」
「客室乗務員や運航乗務員は、上長と会うタイミングすら、ほとんどないような、常に出入りしている状態。こういった人たちに、しっかりとこういったもの(対策)を打ち込んでいくというのは、皆様が想像されているよりも、はるかに時間がかかる」
直近でJALのパイロットやCAに対して同様の禁酒令が出たのは18年11月1日。18年10月に副操縦士から基準値を大幅に超えるアルコールが検出され、英国当局に逮捕・起訴された事案がきっかけだ。解除されたのは5か月後の19年3月31日のことだった。JAL広報部は、このタイミングでの解除になった経緯を
「飲酒に関する知識強化や意識改革等の取り組みを進めてきたことに加え、2019年4月1日の通達改正に伴うアルコール検査の義務化に向けて新しいルールと運用体制が整ったことから、当該措置を解除すると判断いたしました」
と説明している。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)