高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 本気の刷新ならプラスチック製だが......最後の「本格新紙幣」とキャッシュレス化の関係

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立派な新紙幣を作ってしまうとキャッシュレス化が遅れる

   日本は世界の中でも取引決済における現金比率が高い。先進国では、40?60%程度であるが、日本は最近ようやく40%に達したところだ。なぜ日本では現金決済が多いかといえば、習慣化しているからにほかならないが、その本質的理由は高額紙幣が信頼されており、使用されてきたからだ。

   世界では高額紙幣はあてにならず、それがキャッシュレス化の原動力になっている。今、日本で立派な新紙幣を作ったら、かえってキャッシュレスが遅れてしまうだろう。そうなったら、世界の流れに追いつきつつあるのに、元の木阿弥になってしまう。今回は、キャッシュレス化を妨げないように、いずれ滅びゆく「新紙幣」という、かなり微妙なものなのだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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