高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 本気の刷新ならプラスチック製だが......最後の「本格新紙幣」とキャッシュレス化の関係

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   2024年7月から紙幣が刷新される。万が一、偽造されたお金が広く出回るとお金の信用がなくなり健全な取引に支障が出て、国民経済からみるとマイナスである。そうしたことを防ぐため、紙幣については、これまでも概ね20年毎に改刷(紙幣の偽造防止技術やデザインを新しくすること)を行ってきている。

  • 2024年7月から新紙幣がお目見えする(写真:Stanislav Kogiku/アフロ)
    2024年7月から新紙幣がお目見えする(写真:Stanislav Kogiku/アフロ)
  • 都内では新紙幣登場へのカウントダウンコーナーもお目見え
    都内では新紙幣登場へのカウントダウンコーナーもお目見え
  • 2024年7月から新紙幣がお目見えする(写真:Stanislav Kogiku/アフロ)
  • 都内では新紙幣登場へのカウントダウンコーナーもお目見え

今回が「最後の本格的な新紙幣」になると予想

   今回の新紙幣に伴い、金融機関のオープン出納システムやATM、自動販売機などの特需を期待する向きもある。

   しかし、今回の新紙幣では紙幣の寸法の変更は前回同様にない。このため、ハード面の更新需要は限定されることが予想され、ソフトウェアの更新需要が中心だ。そして、財務省が新紙幣刷新発表直後の19年4月10日に衆院財務金融委員会で示した日本自動販売システム機械工業会の試算によれば、今回の新紙幣による現金取り扱い機器の改修特需として約7700億円と見込んでいる。ただし、これまで20年程度も紙幣改刷がなかったことを考えると、1年あたりにすれば大きな数字でない。

   もし本格的に改修するとすれば、今の紙幣を「プラスチック」にしただろう。今回の改修はかなりマイナーなものだ。というのは、最近の自販機では、現金管理コストなどを考えるとキャッシュレスのほうが合理的であり、電子マネーだけのものも少なくない。今回の紙幣改刷で少ないコストをかけて、ATMの縮小や自販機などのキャッシュレス化を進めるのだろう。筆者は、今回は最後の本格的な新紙幣になるだろうと思っている。

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