米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」(WEB版)が2024年6月12日、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の特集記事を公開し、WBA世界ライト級王者ジャーボンテイ・デービス(米国、29)との対戦の可能性に言及した。
「デービス戦で得られる大金は井上が夢見る以上のもの」
デービスは井上よりも3階級上の王者で、過去にスーパーフェザー級、スーパーライト級を制した3階級制覇王者だ。戦績は29戦全勝(27KO)と、ほぼ完ぺきなレコードを誇る。
井上のキャリアはデービスと比較しても劣ることなく、世界的な評価はデービスを上回る。
井上はライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級を制した4階級制覇王者で、戦績は27戦全勝(24KO)。バンタム級に続いてスーパーバンタム級でも4団体の王座を統一し、海外メディアが設定するパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級の垣根を超えた最強ランキング)では、常に上位にランクされている。
無敗同士のスーパー王者が対戦すれば、世界中が注目するドリームマッチになることは必至だ。
記事では「井上がタンク(デービスの愛称)との対戦で手にできる大金は、彼の長いキャリアの中で、他のどの試合で稼いだ金額を凌ぐだろう。戦うことで得られる大金は、彼が夢見る以上のものだろう」と予想した。
「井上はスーパーバンタム級の不毛地帯で満足しているのか?」
対戦が実現すれば両者に高額なファイトマネーが用意されるとみられるが、対戦に向けて大きなネックとなるのが体重差だ。
デービスのライト級リはミット61.2キロで、55.3キロリミットのスーパーバンタム級よりも5.9キロ重い。この開きをどのように埋めるかが、対戦実現に向け解決すべき最大の問題となる。
井上、デービスの通常の体重にも大きな開きがあるとみられるが、記事では「最近アメリカで撮影された井上の写真では、150ポンド級(68キロ)の選手が歩いているように見えた。井上はジュニアミドル級(69.8キロ)に見えた」と指摘し、次のように記した。
「井上は確かにデービスと戦うには十分すぎる体格だが、勇気があるかどうかは別問題だ。井上にその勇気はあるのか? 井上はスーパーバンタム級の不毛地帯で満足しているのか? 井上がデービスと対戦するのは勇気がいるし、彼が対戦しないことを選ぶのも理解できる。デービスを避け、不毛のスーパーバンタム級にとどまる方が安全だと井上は思うかもしれない」
デービスは6月15日に米ラスベガスで18戦全勝(12KO)のフランク・マーティン(米国、29)を相手に防衛戦を行う予定。一方の井上は9月にスーパーバンタム級王座の防衛戦を予定している。