夏のボーナス、2人に1人「賞与額少ない」と転職...理想の額と現実の差43万円!どうする企業?/マイナビの朝比奈あかりさんに聞く

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20代の生活苦が深刻、4人に1人「子どもをもつのに消極的」

   J‐CASTニュースBiz編集部は、リポートをまとめたマイナビのキャリアリサーチラボ研究員の朝比奈あかりさんに話を聞いた。

――自分が理想とするボーナスの額と、現実にもらう額の差がすごいですね。平均43万円ですが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの今夏ボーナス支給額予想(4月9日発表)では、民間企業で1人当たり40万8770円です。それを上回る額です。

また、理想のボーナス平均額が、94万8000円になっていますが、これは昨年8月に経団連が発表した大企業の夏のボーナス平均妥結額90万3000円を上回る額です。転職を目指す人は、ことボーナスに関しては野望が大きいというか、志が高いのでしょうか。

朝比奈あかりさん 調査では、自分の働きに見合った額を、理想のボーナス額として聞いています。決して非現実的な額ではなく、自分の頑張りや、仕事の成果が正当に評価されれば、このくらいの額になるということだと思います。

また、収入に関する意識が強まっているのは確かです。毎年転職者の調査を行なっていますが、コロナやウクライナ戦争で物価高騰が激しくなった2021年頃から、「給与が低いから転職した」「給与が高いかどうかで転職先を決めた」など、給与が転職の決め手になった割合が非常に高くなっています。

野望があって転職をする方もいると思いますが、単純に生活が苦しい方も一定数いると推察しています。特に若い世代は深刻です。マイナビでは昨年(2023年)11月、20代の正社員を対象に「仕事と私生活の意識調査」を行いました。そのなかで、子どもがいない20代男女に「子どもがほしいか」と聞いたところ、4人に1人以上が「ほしくない」と答えました。

――それはなぜですか。

朝比奈あかりさん 「どんなことあっても、子どもはほしくない」という人も1割以上いました。既婚の男女からこんな意見が寄せられました。「お金が足りない。養育費が払えない」「自分の生活で精いっぱい。子どもを育てる責任が持てない」。なかには「生まれてくる子どもを、不幸にさせてしまう」という人さえいました。ショッキングな調査結果で、深刻さを強く感じました。

――若い世代は、より収入がよい転職先を探さなくてはならないほど追い詰められているということでしょうか。

朝比奈あかりさん 将来への強い不安感を持つ若者は増加しているのではないかと考えています。背景には、終身雇用と年功序列を中心とした日本型雇用の見直しが進んでいることがあげられます。昭和の高度成長期には、若い世代の収入は低かったのですが、企業に残って頑張っていれば、終身の雇用と昇進・昇給が保証されていました。

ところが現在、終身雇用が崩れて人材が流動化しているにもかかわらず、年功序列の部分だけはまだ続いている企業が存在し、若い世代が低収入のまま取り残されています。つまり、若年層にしわ寄せがきているのです。

――なるほど。それで転職理由のトップに「賞与が少ない」を挙げる20代が3割以上もいるわけですね。

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