大阪のドラッグストア「ダイコクドラッグ」の運営会社が、転売目的が疑われる中国人観光客らに不適切な免税品の販売を繰り返したとして、大阪国税局から約3億円を追徴課税されていた。複数メディアが報じた。本人確認が不十分のまま、販売していたという。
では、免税要件を満たす手続きとはどのようなものか。国税庁に聞いた。
免税店が「不正」主導する事例も
国税庁によれば、こうだ。税務署から許可を受けた免税店を経営する事業者は、短期滞在する外国人観光客のような免税購入対象者からパスポートなどを提示してもらい、対象者かどうか確認。購入者に必要事項を説明した上で、免税対象物品を販売する。
対象者の購入記録情報は、国税庁が運用する免税販売管理システムに送信しなければならない。その記録は約7年間保存する必要がある。
免税対象物品は、通常生活の用に供する物品だ。事業または販売用として購入されることが明らかな物品は、これに該当しないため、対象物品に含まれない。金または白金の地金も除かれる。
家電、バッグ、衣料品などの一般物品は、税抜販売価額の合計額が5000円以上だと、免税販売の対象になる。飲食料品、医薬品、化粧品などの消耗品は、5000円以上50万円以下だと対象だ。
これが免税の要件になる。だが、近年、国内事業者などの指示のもと、大量・多額の免税購入を行い、国外に持ち出さずに国内転売して不正に利益を得るケースも。これを免税店が主導する事例もあるという。
免税制度を見直す動きもある。「令和6年度税制改正大綱」では、制度が不正に利用されている現状があるとし、出国時に税関において免税購入物品の持ち出しが確認された場合、免税販売が成立する制度へ見直すと記されている。