JR四国は、老朽化した駅舎をアルミ製の簡素な駅舎に建て替えている。香川県東かがわ市の「丹生駅」の駅舎は、駅の待合室のような広さで、メタリックな建物になっている。耐震性基準を満たしていない築30年以上の駅舎が対象で、今後は同社管内の約70駅が建て替わる予定だ。
こうした簡素な駅舎は、四国以外でもみられる。同じ鉄道駅でも、都市部のターミナル駅のような大型の施設とは全く異なる。
利用状況に応じて設備をスリム化
JR四国広報室は、2014年度から自治体に駅舎の整備・活用の相談をしていると、取材に説明する。自治体による活用が難しい場合、同社単独で建て替えている。
「利用状況に応じて設備をスリム化し、維持管理しやすい構造にすることで、建物維持管理費の削減、安全性の向上等を図っています」
建て替える際の駅舎の規模は、乗降客数も踏まえている。例えば、香川県三豊市の「讃岐財田駅」の場合、2022年度でみると1日平均38人だった。先述の丹生駅では、同年度1日平均176人だ。
乗降客数によっては、駅舎自体がなくなる可能性もある。だが、「駅自体の廃止は、現時点で検討していません」と、広報室。なお、JR四国内には駅設置時から駅舎がない駅もあるという。
小型駅舎がポツリ
簡素な駅舎は四国以外にも。例えば、北海道。釧路―網走間の釧網本線の「鱒浦(ますうら)駅」では、山小屋のような見た目の小型駅舎がポツリと建っている。同線の「遠矢(とおや)駅」も、白いプレハブ倉庫のような小さい建物だ。
旭川―網走を結ぶ石北本線でも似たような駅舎がある。「伊香牛(いかうし)駅」はログハウス風の造り。「安足間(あんたろま)駅」は遠矢駅の外観に近く、白い小型の駅舎になっている。