必要なのは、自分で試行錯誤して学ぶ経験を積むこと
以上のMさんと2人の先輩とのエピソードには、それぞれから預かった振り返りのコメントがあります。それを紹介しながら、いくつか気づいた点を書き留めておきましょう。
Mさんが入社2年目の大失敗で、先輩のKさんから学んだのは、仕事やお客様に向き合う姿勢といえるでしょう。あえてMさんを叱らなかったKさんは、その時を振り返り、次のように語っています。
「あれは、確かに大きな失敗でした。しかし、大事なのは、何が原因かを確認して、システムを使っているユーザーのサービスをできるだけ早く改善すること。まずそれに全力で取り組むことが、お客様と仕事に対して一番大事です。それをきちんと分かってほしかった。
それに、若手とはいえ大人ですから、ミスが発覚した時点で本人はもう自分の責任だったと反省していますよ。取りたてて言わなくても、真摯に今後に備えるはず。Mさんはそれができる人だと信じていました。将来リーダーになる素養もあった。だから必要なのは、自分で試行錯誤して学ぶ経験をたくさん積むことだったんです」(Kさん)