丁寧語、強気メールの出し方まで、教えてもらう
Tさんの言葉通り、Mさんは若手リーダーに欠かせない、ある利点を備えていたと言えそうです。
それは、人生の先輩の懐に素直に飛び込んでいく姿勢。
生来のものか、意識して心がけたものかに関わらず大事な点です。
当時を振り返るMさんの言葉からもうかがえます。
「私は、社会的な素養がないうちにチームリーダーになってしまいました。そこで、言葉使いから何からTさんに手取り足とり教えていただきました。お客さまに外国語で送るメールが失礼な内容になっていないか。『強気のメール』を出すときにいかに柔らかく見せるかなど(笑)。落としどころに持っていくためには、どうすればいいか。経験豊富なTさんのアドバイスは、本当に助かりました」(Mさん)
つまり、リーダーだからといって決して年上メンバーに対して高圧的な態度に出ることなく、むしろ自分にない経験を尊重し、その知恵に頼っていたのです。
頼られればメンバーは意気に感じ、力を貸してくれるもの。リーダーの仕事は、メンバー一人ひとりの強みを活かして組織のパフォーマンスを最大化すること。Mさんはそれを心得ていたのです。
「自分にできないことは、何でもTさんに訊こうと考えました。おかげで、ほんとに細かいことまで、いろいろ教えていただきました。会社や仕事のこれまでの経緯を詳しく教えてもらえるのは、とても助かりました。
お酒の席では、ビールはラベルを上にして注ぐんだよとか、日本酒のお銚子は右手で必ず注ぐものとか(笑)。お客様とのコミュニケーションには細かい配慮が大事な時もあるので、マナーも勉強になりました」(Mさん)