山万ユーカリが丘線で日本初「顔パス」乗車 マンションでの実績が後押し「他社様でも普及していくのでは」

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   千葉県佐倉市のユーカリが丘ニュータウンを走る新交通システム「山万ユーカリが丘線」で、2024年6月15日から乗車に顔認証システムとQRコードが導入される。運営会社の山万(東京都中央区)が5月25日に発表した。

   山万によると、顔認証システムを使用した改札は日本初。過去に同社が販売する分譲マンションで顔認証システムを採用したことが、今回の導入につながったという。

  • 山万ユーカリが丘線の電車(公式サイトより)
    山万ユーカリが丘線の電車(公式サイトより)
  • 顔認証用タブレット端末(公式Xより)
    顔認証用タブレット端末(公式Xより)
  • 顔認証用タブレット端末(公式サイトより)
    顔認証用タブレット端末(公式サイトより)
  • QRコード認証機(公式サイトより)
    QRコード認証機(公式サイトより)
  • QRコード乗車券は降車後回収ボックスに入れる(公式サイトより)
    QRコード乗車券は降車後回収ボックスに入れる(公式サイトより)
  • 山万ユーカリが丘線の電車(公式サイトより)
  • 顔認証用タブレット端末(公式Xより)
  • 顔認証用タブレット端末(公式サイトより)
  • QRコード認証機(公式サイトより)
  • QRコード乗車券は降車後回収ボックスに入れる(公式サイトより)

「普段現金を持ち歩かないお客様からの前向きなご反応」

   公式サイトによると、対象となるのは通常乗車券と割引定期券を除く通勤定期券だ。これにともない、これまでの磁気の普通乗車券・通勤定期券は24年6月14日で販売終了となる。同社が運行する山万コミュニティバスも同様だ。

   山万ユーカリが丘線に顔認証で乗車する場合、窓口か専用サイトで券を購入後、サイトで自身の顔を登録。改札に取り付けられたタブレット画面に近づき、認証されたら通過する。QRコードで乗車する場合は、券売機でQRコードが印刷された乗車券を購入するか、専用サイトで購入してスマートフォンの画面上でQRコードを表示させる。改札に設置された認証機にかざして通過する。

   7日にJ-CASTニュースの取材に応じた山万の公共交通事業部の担当者によると、今回の顔認証システム・QRコードの移行は、21年に行った実証実験の結果を踏まえたもの。利用者からは、「普段現金を持ち歩かないお客様からの前向きなご反応」が寄せられているという。

   ICカードは導入しておらず、導入の予定は現在のところないという。

利用者のメリットは「よりスムーズなご利用」

   QRコードを使った乗車券については、JR東日本、東武鉄道、京浜急行、東京モノレールなど8社が、26年度以降順次、磁器乗車券からQR乗車券に移行すると5月29日に発表している。しかし、顔認証システムについては言及されていない。

   前出の山万担当者は、他社が取り入れていない中でも顔認証システム導入に踏み切った背景として、13年11月、ユーカリが丘の免震タワーマンション「スカイプラザ・ユーカリが丘ミライアタワー」で、首都圏で初めて顔認証システムを導入したことを挙げた。

「そこで得られた様々なデータをもとに検討を重ね、ご利用者様が安心して継続的に利用でき、また利便性に優れた方式、顔認証システム・QR乗車の導入に至りました」

   顔認証システム導入による利用者のメリットについて、定期券を出さずに顔を端末に近づけるだけで乗降車ができるため「よりスムーズなご利用が可能」と挙げ、「お荷物をお持ちの場合には一層利便性をご体感いただけるかと思います」とした。

   顔認証システムは他社でも普及するのか。担当者は「ご利用者様にも運営側にも様々なメリットがあり、おそらく他社様でも普及していくのではないか、と考えております」と話した。

タブレット端末、認証機の「後付け」でコスト抑える

   またXでは、顔認証システム・QRコード仕様となった山万ユーカリが丘線の改札も注目を集めた。

   東急電鉄ではQRコードの読み取りやクレジットカードのタッチ決済機能がついた改札機の設置を進めており、24年1月には世田谷線の各駅と東急新横浜線・新横浜駅を除く全駅に設置された。JR東日本も、22年よりQRコード読み取り機能が付いた改札機の設置を開始している。

   大手鉄道会社が新たな改札機を用意するのに対し、山万ユーカリが丘線では、従来の改札機にタブレット端末やQRコードの認証機が「後付け」で取り付けられている。

   この理由について山万の担当者は「従来の改札機に端末を設置して、コストを低減する運用としました」としている。

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