「カスハラ」の言葉知らない人も「まだまだこの世代には多いのでは」
一方、佐藤宏太・流通部門執行役員は、男性や50代以上が多い理由について
「この世代の方たちは『自分が苦労した(と考えている)』という人が多いととらえている。『自分たちはここまで一生懸命仕事して、ここまで顧客に対してサービスをしてきた』。
その方たちの求めるサービスよりも下の場合は、それが納得いかない気持ちになる」
などと分析。さらに、
「ご自身は、もしかしたら『教えてあげている』とか『自分のクレームは相手のためになっているんだ』といった風にとらえているかもしれないが、やはりそれがカスタマーハラスメントに分類されるようになってきている」
とも指摘した。
さらに、高齢者の加害者が多い問題については、「これは推測ではあるのだが......」と断った上で、
「やはりメディアに触れる機会が少ないというのも、課題としてはあるのかもしれない。カスタマーハラスメントという言葉自体を知らない方も、まだまだこの世代には多いのではないか」
などと話した。
カスハラ対策をめぐっては、厚生労働省が労働施策総合推進法(パワハラ防止法)を改正し、カスハラから従業員を守る対策を企業に対して義務付ける方向で検討している。東京都は、カスハラの禁止をうたう条例の制定を目指している。
UAゼンセンとしては、従業員が働きやすい環境づくりが「法的な根拠が後押しになる」として、被害防止のための対策を義務付ける法制化を求めていく考えだ。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)