CD販売店は今後も減っていくのか――。東京の「山野楽器」銀座本店が、CDや映像商品の販売を2024年7月末で終了する。インターネット配信での音楽視聴が主流になる中での判断だ。
『それでも音楽はまちを救う』(イースト・プレス)の著者で文教大学国際学部教授の八木良太氏(経営学)は、J-CASTニュースBizの取材に、「CD販売店が少なくなるのは、間違いない」との見解を示す。
アナログレコードのように復活しない
日本レコード協会の統計によれば、CDなど音楽ソフトの年生産額は1998年の約6075億円がピーク。その後、2021年の約1936億円まで下がり、23年は2207億円だった。
前出の八木氏は、「今後もCDの年間生産額が回復することは、日本だけではなく世界的にもないと考えています」と、取材に話す。サブスクリプションやYouTubeでの視聴によるサービスが普及したため、CDは役割を終えたと語った。
「今後CD販売が完全にはなくならないと思います。ですが、コレクター向けとしてリバイバルしたアナログレコードやカセットテープと同列には扱えません。アナログかデジタルかは大きな違いです」
デジタルを聞くことに慣れた人にとっては、アナログで聞く新鮮さはある。だが、CDはインターネット配信と同様にデジタルであるため、アナログレコードのように復活することにはならないだろうと指摘する。
「いつまで持ちこたえることができるのか」
では、どのような形でCDは販売されるのか。例えば、CDにアイドルの握手券やチェキ撮影券、Tシャツなどをセット販売するような形では残るだろうと、八木氏。ジャケットを豪華な写真集にするなどして商品価値をつけ、グッズとして購入するような形もある。
CD販売店が少なくなる流れは止められない。「いつまで持ちこたえることができるのかと感じています」と語った。