新入社員の意向尊重か?企業の人員充足か? 人事担当者の悩み「配属先の伝達時期」...入社後4割も、改革進む企業続出

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   運しだいの配属を「配属ガチャ」と不安視する就活生が増えたこともあり、選考過程で本人の希望を重視する取り組みをする企業が増えている。

   そんななか、リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」が2024年5月30日、企業の人事担当者を対象にした調査「新入社員の入社後の配属について」を発表した。

   就活生にいつ配属先を伝えるかなど、企業の各部署との調整に悩む姿が浮き彫りになった。

  • 同期入社の仲間たち
    同期入社の仲間たち
  • (図表1)新入社員の配属先伝達時期(就職みらい研究所作成)
    (図表1)新入社員の配属先伝達時期(就職みらい研究所作成)
  • (図表2)「新入社員の配属」に関する人事制度の見直しができているか(就職みらい研究所作成)
    (図表2)「新入社員の配属」に関する人事制度の見直しができているか(就職みらい研究所作成)
  • (図表3)3年以内の離職率:人事制度の見直しの有無別(就職みらい研究所作成)
    (図表3)3年以内の離職率:人事制度の見直しの有無別(就職みらい研究所作成)
  • 同期入社の仲間たち
  • (図表1)新入社員の配属先伝達時期(就職みらい研究所作成)
  • (図表2)「新入社員の配属」に関する人事制度の見直しができているか(就職みらい研究所作成)
  • (図表3)3年以内の離職率:人事制度の見直しの有無別(就職みらい研究所作成)

「学生の適性見極め困難」「確約しないと、内定辞退怖い」

   就職みらい研究所の調査(2024年2月16日~19日)は、全国の従業員規模100人以上の企業で、2024年卒の新入社員(正社員)の採用業務に就いた人事担当者812人が対象だ。

   まず、新入社員に配属先を伝達した時期を聞くと、「内定承諾前」が34.6%、「内定承諾後~入社前」が24.4%、「入社時以降」が41.1%と、入社後が一番多い結果となった【図表1】。

   就活生は、内定を決める前に配属先の確約を希望する人が多いが、人事担当者としては、それが難しい事情がある。フリーコメントではこんな意見が相次いだ。

「1つの職種や勤務地に希望が集中した場合はどうするか」(機械器具製造)
「その学生に合っていて、より長く活躍できるか見極めるのが難しい」(同)
「各部署との連携や、望まれる人材の提案とすり合わせるのが困難」(同)
「専門的業務のため、学生がどの部門が自分に合うかの希望を出すのが難しいし、会社としても学生本人をよく把握してから配属先を決めたい」(情報通信業)

   また、「希望と合っていない時に、入社辞退がある」(同)など、確約することが逆に内定辞退につながる懸念を指摘する意見もあった。

   背景には、「学生が希望する部署への配属」を前提とした採用選考ではなく、「企業の人員充足中心の配属」を想定している企業が一定数存在する。

   一方、新入社員の配属に関し、従来の人事制度や選考方法を見直す必要性を感じている企業は半数以上(51.8%)いる。【図表2】は、人事担当者に見直し状況を聞いたグラフだが、3割~5割が「見直しができていない」と答えている。

   フリーコメントから、こんな危機感あふれる意見が聞かれた。

「従来のやり方、考え方では、将来的に人的資産が枯渇するのが目に見えて いる」(教育・学習支援業)
「新入社員と面談をして納得のいく配属をすべき。働く意欲向上と離職防止のために必須だ。会社がどういう目的で配属を決定したか知ってもらい、お互いの情報交換が必要」(卸売業)。
「個人に合った配置の見直しができていないため、離職率の高さに繋がっている」(運輸業)

   このように、離職率の高さを懸念する声が多く寄せられた。

   実際、新入社員の3年以内の離職率(2021年卒入社者)を聞くと、「見直しできていない企業」のほうが、「見直しできている企業」より、約10ポイント高かった【図表3】。

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