「会員総勢で、かなりの在庫を抱えています」。ヤフー知恵袋に2024年5月24日、こんな投稿があった。バンダイスピリッツの、いわゆる「ガンプラ」が模型店などに大量入荷したことで、転売目当てに多数購入していたのに当てが外れ、嘆いているものだ。
投稿者は、稼げる副業をうたって転売の方法を教える「せどりセミナー」の参加者。講師から情報を得てガンプラを購入したという。この投稿はプラモデルファンを中心に炎上し、6月1日10時時点で削除された。
「ガンプラで年収1000万」と煽った
5月25日に模型店などに入荷した「マイティーストライクフリーダムガンダム」。転売目的の人たちの予想を超える量があったようだ。
前述の炎上した投稿では、「セミナーで緊急集会が開かれるほどの事案でした」、「当初、仕入れ値2970円で、6800円(で転売する)見込みでした」「高い参加費と交通費を掛けたのに、あんまりではないでしょうか」とあった。
また、「セミナーも売れる、儲かる、ガンプラで年収1000万も夢じゃないと言ってたのに」、「収益を見込んで旅行など計画していた会員も居ます」と、セミナー主催者への恨み節が続いた。
返金拒否なら裁判...費用が高額に
こうした「せどりセミナー」や「物販スクール」といった講座は、インターネット広告やSNSで参加者を勧誘している事例が多い。ネットで検索すると入会金40万円~70万円ほどかかるところがあった。加えて、情報商材の購入、コンサルティング料、セミナー参加費など追加料金が発生し、高額を請求する詐欺まがいのものもあるようだ。
高い入会金や追加料金を払ったが、教えられた方法で収益が出なかった場合、契約の解除と返金を求めることは可能なのだろうか。取材に応じた国民生活センターの見解は、こうだ。
「せどりセミナーや物販スクールといった副業トラブルでは、返金を求めても諦めざるを得ないケースが典型的です」
実例として、セミナー講師に連絡がつかないケースがある。連絡が取れても返金を拒否されたら、裁判を起こす必要がある。そうなると、セミナーに支払った金額よりも裁判費用の方が高額となり、結局は泣き寝入りする人が多いようだ。
せどりセミナー以外の副業トラブルのケースでは、「『絶対にもうかる』といった誇大な表現をしている事業者から返金されたケースはありますが、きわめてまれです」との説明だった。