電源が入らない古いケータイ復活、思い出写真を無料プリント auが他社ケータイまでサービス その「太っ腹」の理由

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   もう電源が入らない古いケータイの中に、思い出の写真があるのに......。取り出せずにあきらめていた人に朗報だ。

   古いケータイを復活、中の写真を取りだしてプリントするKDDI(au)の「おもいでケータイ再起動」というサービスの体験者が、2024年6月5日現在、延べ1万6042人に達し、1万6000人を突破した。

   au以外の他のケータイでも無料で対応する。再起動後はリサイクルを推進するのが狙いの1つだが、もちろん、そのまま持っていてもOKという鷹揚なサービスだ。

  • 仲のいい友との思い出の写真、ガラケーに残していませんか
    仲のいい友との思い出の写真、ガラケーに残していませんか
  • 再起動したおもいでエピソード(KDDI公式サイトより)
    再起動したおもいでエピソード(KDDI公式サイトより)
  • 仲のいい友との思い出の写真、ガラケーに残していませんか
  • 再起動したおもいでエピソード(KDDI公式サイトより)

北海道から沖縄まで、全国各地で無料イベント

   「おもいでケータイ再起動」は、2016年7月にauの東京新宿のショップで開催して以降、全国のKDDI・沖縄セルラー直営店や、全国各地のイベント会場で数百回開催してきた。

   KDDIが2023年に実施した調査では、約7割のユーザーが過去の携帯電話を持っており、そのうち約5割は電源が入らず、懐かしい写真や思い出の留守電メッセージなどを取り出せない状態になっている。

   そこで、充電ができなくなった携帯電話を専用機器で充電・再起動し、ユーザーが見ることを諦めていた懐かしい写真を印刷して渡すという。

   今年(2024年)6月以降、北海道から沖縄まで全国各地で開かれるイベントのスケジュールは、ウェブサイト「今後の開催予定」で見ることができる。参加費は無料だが、予約が必要だ。

   「思い出」を取り出したあとの携帯電話を、ユーザーの希望があった場合に回収し、リサイクルを行っている。

   KDDIによると、使用済みの携帯電話やスマホの6割以上は自宅に放置されているという。それらを全部リサイクルすると、金メダル15万枚分の金や、住宅200棟分の鉄などを再生金属として再利用できるうえ、植林370万本(東京ドーム80個分)のCO2を削減できる。

「思い出振り返るお手伝いに、auも他社もありません」

   J‐CASTニュースBiz編集部は、「おもいでケータイ再起動」を行なっているKDDI広報部の担当者の話を聞いた。

――1万6000人を突破した日付は、いつなのでしょうか。

担当者 2024年4月5日です。2016年7月に始めてから、7年9か月目です。

――au以外のケータイも無料で参加OKとしているのは、ずいぶん太っ腹ですね。

担当者 電源が入らないケータイに入った大切な写真を、二度と見られずにあきらめていた方々の思い出を振り返るお手伝いをしたい、という思いから、通信事業者を問わず、開始当初からau以外のケータイでも対応しております。

――思い出写真をプリントにするだけでなく、せっかく再起動したのだから、現在使っているスマホなどの別機種にデータを移行してほしいという要望はないのでしょうか。

担当者 機種状況にもよりますが、お客さまのご要望に応じて、データ移行の操作方法をご案内しております。

――このサービスの目的の1つに資源リサイクもあると思いますが、実際に古いケータイをリサイクルに申し込む人はどのくらいいるのでしょうか。

担当者 KDDIのリサイクルは、手作業により99.8%の再資源化率を誇ります。これまで1000台以上、今年度のイベントにおいては2割弱のケータイがリサイクルへ申し込まれています。そのほかは、ご自宅でゆっくり画像を見たい、とお持ち帰りされています。

「忘れていた思い出がよみがえり、もう一度頑張ろうと思った!」

――なるほど。それにしても懐かしい写真にもう一度出会えた人は、うれしいでしょうね。

担当者 はい。
「ケータイに電源入らず、もうあきらめていた写真や動画が見られて嬉しい!」
「今はもう会えない家族の写真や、留守電メッセージが復活できて嬉しい!」
「忘れていた思い出がよみがえるとともに、もう一度頑張ろうと思った!」
などといった喜びの声をいただいています。
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