アイドルグループ「でんぱ組.inc」の古川未鈴さんが2024年6月5日、過去に受けたいじめの体験をXで明かした。
でんぱ組.incは25年初頭のライブをもって解散することを発表している。古川さんはグループ結成時の09年から在籍しているメンバーだ。
「靴がなくなった」「水着がなくなった」
古川さんはグループ解散発表後の5月25日から、「#未鈴の自伝」と題して、これまでのアイドル人生を振り返るXポストを投稿している。6月5日の投稿では、「『復讐』という言葉を使わなかった理由」と切り出し、グループの13年の楽曲「W.W.D」の歌い出しにある、「いじめられ部屋にひきこもっていた ゲーセンだけが私の居場所だった」という自身のパートを紹介。歌詞の発案者はミュージシャン・プロデューサーのヒャダインさんだと説明した。
各方面に対し、「アイドルになったきっかけは、いじめてきた人を見返してやるため」と公言しているという古川さん。ただ、「この見返すという言葉。思い返せば私から出てきた言葉ではないと思う」といい、「自分がどうみられるか、そんなことを考えられなかった私は おそらく『復讐』という言葉を使っただろう」と述べた。
ここで、過去に受けたいじめの数々を告白する。「廊下で制服を脱がされかけた」「非常に日焼けしやすく肌のトーンが暗かったのでブラックタイガーと呼ばれた」「音楽室でなんかわかんないけど人の下敷きになって何人も重なってきた」「靴がなくなった」「水着がなくなった」などで、「大体は中学生の頃」のエピソードだそうだ。
これらの行為はすべて「女の子」によるものだといい、「このため、私は女性が苦手だ。男の子とは話すのはとても楽」とも明かす。こういった行為を受けても、当時の古川さんは嫌な顔をしたり泣いたりせず、親に打ち明けることもなかったという。
「いざ文字にするとやっぱり恥ずかしいし、少し心が痛い」
その理由について、「恥ずかしいからだ。『逃げたっていいんだよ』と言われるが逃げるのも恥ずかしい」とし、「今では何とも思ってないつもりだったけど、いざ文字にするとやっぱり恥ずかしいし、少し心が痛い」と続けた。
そして、「テレビで輝いてるアイドルを見て こうやってキラキラ活躍してれば いじめてきた人たちに住んでる世界が違うんだよって復讐できるかな、って思った」と振り返る。この時に芽生えた気持ちが自身の「根源」だといい、「まったくもってキラキラしていない」としつつも、「悔しいという気持ちは何よりもパワーになると思ってる。それだけで16年続けてきた」とつづった。
この気持ちを公にするきっかけになったのが、「W.W.D」だったという。「歌の中で『復讐』という言葉が『見返してやる』に変わった。意味は変わってないのかもしれない。ただ、何というか。ドス黒さが少し和らいだ気がした」と自身に訪れた変化を明かした。
楽曲には、「どん底も経験してんだ 夢を見たっていいじゃん 見返してやるし...」という歌詞がある。古川さんは、「同じような意味でも言葉の選び方で人生が変わったりすることを私は知っている 闇堕ちして目に光がなくて誰にも気にかけてもらえなかったところを 言葉一つでなんか捉えられ方が変わった気がした」とし、作詞のヒャダインさんに感謝を伝えた。
「実際見返せてるかどうか。結論から言うと知らない」
W.W.D発表から10年以上たったが、「で、実際見返せてるかどうか。結論から言うと知らない」と続ける。「私は学生時代の人、ほぼ知らない 5年に一回くらい知らない番号から電話がかかってきて 同級生だよ!元気?みたいな連絡が来るだけだ。登録してないので毎回誰かわからない」とも明かす。
古川さんの体験に、ファンが自らの体験を重ねることが増えているという。「みんな形は違えどしんどい体験というものはしてる」とし、「そのしんどい体験っていうのは絶対に人生のどこかで役に立つと思ってる。マイナスからのスタート、なめんなってわけ」と締めた。
古川さんの元には、「ほんとにこのW.W.Dには救われた。病んだり、葛藤したり、エネルギーをみりんちゃんからたくさんもらった気がするなー」「未鈴ちゃんの生き方本当かっこいいよ」「自分も子供の頃いじめというかいじられ体験があり みりんちゃんもそんな経験をしてても見返してやるという精神にすごく勇気もらったし助けられました」と言った声が寄せられている。