浅草、鎌倉、京都などの観光地を歩いていると、よく見かけるのがあでやかな着物姿の女性だ。現地で着物をレンタルして、着付けしてもらっている人もいる。日本人だけでなく、海外からの観光客にも人気だ。
インバウンドの回復と共にレンタル着物業はどれほど繁盛しているのか、取材した。
「直近では外国人が増加傾向です」
観光庁の発表する訪日外国人旅行者数をみると、2023年は2507万人。コロナ前の2019年の3188万人と比べて、7割強まで戻ってきた。
ある旅行ツアー会社のプランを見ると、着物を着て相撲部屋の見学に行くという旅程があった。着物レンタルの市場規模を調べるため、「梨花和服」(東京都台東区)を例にとろう。京都や浅草など7店舗で、着物一式レンタルと着付け、ヘアセットを行っている。
2022年の売上高は11億6000万円、利用者数は18万8000人超だ。年齢別シェアは18歳以下で34%、19歳~24歳で52%と若い世代が多い。利用者を国別でみると日本国内が64%、中国が21%、韓国が10%、その他が5%という内訳だ。
「アフターコロナ」が本格化した2023年はどうなったか。梨花和服を運営するTripFarm取締役・高雲健氏によると、同年の利用者は、日本人が7割で外国人が3割の比率、また「直近では外国人が増加傾向です」。同年1月~12月の売上高は12億円前後となっており、22年を超える見込みだと説明した。
高雲氏によると、梨花和服のスタイルは着物レンタルを9時から17時30分までの時間制で行うという。開始時間は選べるが、返却時間は変わらない。単価は一人5000円前後だ。京都・奈良・大阪など風情のある街並みが残る西日本の方の利用者が多いという。