返金に応じるなど、一見良心的だが、裏に強かな計算
J‐CASTニュースBiz編集部は、国民生活センター相談情報部の担当者に話を聞いた。
――最近、相談が出始めたという新手の詐欺とのことですが、実際の被害金額はどのくらいになるのでしょうか。
担当者 まだ、実態を把握できていない面があります。海外事業者に登録してしまったことに気づかず、クレジットカードの明細を見て、身に覚えがない請求があって、お金を引き出されたことが分かる人が多いです。
その一方で、登録完了メールが届いて間違ったことに気づき、返金を要求したら戻ってくるケースも少なからずあります。また、トライアル期間中は料金が発生しないのですが、トライアル期間を過ぎても料金を請求されないケースもあり、いろいろです。
――何でもかんでも、個人情報をつかんだクレジットカード口座からお金をむしりとるわけではないのですか。意外に良心的な面をあるのですね。
担当者 一見、良心的に見えますが、あくまでこの手口を続けていこうという意図からきていると思われます。強欲一辺倒で押して、消費者がクレジットカード口座を閉じたり、IDを変えたりすれば、元も子もなくなるというしたたかな計算が働いているとみられます。
――なるほど。ところで、広告であることを示す「×」印が非常に小さいのは、詐欺の常套手段でしょうか。
担当者 実は広告を出稿している側が、わざと小さくしているわけではありません。また、サイト自身が小さくしているわけでもなく、インターネット広告界の問題と思われます。
今後の対策のために、インターネット広告の実務を行なっている社団法人日本インタラクティブ協会に情報提供を行なっています。